(学校で教えてくれない経済学)
金閣寺の前庭でコケの手入れをしているおばさんがいる。ご精が出ますね、と声を掛けたら顔だけ上げて笑顔を返してくれた。日本画家、森田りえ子さんの杉戸絵公開展を見た帰りだったので3年も前のことだ。今も印象に残っている。最近は雑草の勢いがいい。少し目を離していると木の根元に草が、まるでまとわりつくように次々生えてくる。本当に気が抜けない。一本一本、雑草をつまみ取りながら、いつも金閣寺のおばさんのことを思い出す。
植物さんと付き合うようになってから何か変わったかを一つ上げろと言われたら、雨が降ることをむしろありがたいと思うようになったことだ。水やりが大変だということを実感する。草取りはまだいい。目を離せば命取りになるケースがある。例外的なケースかもしれないが、亡父が入院中、点滴の名札を取り違えられた時は参った。居眠り運転はその最たるものだろう。
司馬遼太郎さんの作品で、日本人は雑草を一本でも多く抜けば、その分、お米の収穫が増えることを学んだ。日本人が勤勉なのはそれが原点だと書いておられた。楽して金儲けすると誤解されている相場が嫌いな人が日本人に多いのは、そのあたりの事情が大いに影響しているのかもしれない。
「ワールドWaveMorning」を見ることから一日が始まる。フランスF2が、ギリシャで14日の月曜1日で8億ユーロ、ここ20日間で16億ユーロの預金が引き出された。現金自動払い機には多くの客がならんでいた。6月17日の再選挙投票日まで毎日,同じような光景が繰り返されるだろう。ギリシャ人の多くがユーロにギリシャがとどまるのか、それとも飛びだすのかどうかを恐れている。政府は資産凍結するとのうわさがある。1日の現金引き出し限度を1人1,000ユーロ(約10万円)とすることを検討していると伝えた。アテネ市内のある錠前屋のおかみさんが画面に登場、店の金庫の売り上げが去年より4割増えたと話していた。
英BBCは、キャメロン首相が、ギリシャは危機的状況にあることを認識すべきだと呼びかけ、ギリシャはユーロに留まるべきだ。イギリスを守ることは私の義務だと演説した。キャメロン首相は、米、仏、伊首脳と今週末開かれる米キャンプデービットでのG8を控えて電話会談した。フランスは緊縮より成長だといっていると記者に問われたキャメロン首相は「赤字削減か成長かではない。成長のための赤字削減だ。」と語気を荒げた。英国の首相がここまで危機を煽るのは異例だと野党は厳しく批判したと紹介していた。
17日、NY証券取引所は、スペイン国債の格下げニュ-ス、ギリシャでの預金引き出しの動き、米フィラデルフィア連銀報告が予想より悪いデータを出したことを受けて、NYダウは引けにかけて下げ足を速め、前日比156ドル安、12,442ドルで取引を終えた。米ブルームバーグに出演したディ―ラ―、D・モガべロさんは「明日フエースブックが上場される。アップル株が下げればip関連が下げる。あとしばらくは軟調相場が続く。」と話していた。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した大和証券キャピタルマ―ケッツアメリカ、山口秀宣氏は「スペイン情勢が不安視された。5月の米製造業指数が悪かった。民間調査機関のコンフエレンスボード景況感指数が予想を下回った。スペイン、ギリシャで銀行預金が急速に流出している。株価が下げ、ユーロが下げ、つれてドルも対円で一時79円前半まで売られた。」などと話していた。
17日、NY外国為替市場では、1ドル=79.31~36円、1ユーロ=100.70~75円で取引された。今朝5時45分からのテレビ東京系の「モーニングサテライト」に出演したフィスコNY,平松京子氏は「米経済指標が予想外に悪い数字が出た。米FRBが追加金融緩和に踏み切るのではとの観測が流れドルが売られた。さらにユーロは売られ易い状況が続く。」などと話していた。同番組に出演した三菱UFJモルガン証券、藤戸則弘氏は「欧州での景気後退が中国への波及を恐れている。そこへアメリカの景気がおかしい。世界的な経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)先行きを懸念している」などと話していた。
17日のNY原油【WTI】は小動き、バレル25セント安、92.56ドルで取引された。ホルムズ海峡封鎖など危機感を煽っていた時と比べると様変わりである。米国景気データが相場を冷やした。NY金先物相場はトロイオンス38.30ドル高、1,574.50ドルと急反発した。米FRBの量的緩和期待が相場を支えた。米債券相場が引き続き上昇、10年物国債債利回りはこの日も下げ、1.690% を記録した。米FRBの追加金融緩和の信号を送っている。
NHK/BS「世界の天気」。中国江蘇省、韓国でヒヨウが降った。アジア北東部全域に冷たい空気が居座っている。下界との温度差が大きいと雷、突風、ひょうが降り易い。果たして、5月21日に金環日食が日本で見られるかどうか。イギリスの気象局の予報は曇。中国は曇りのち雨と予測。なぜ違うのか。予報は人が出すから違うと話していた。
日本画家、森田りえ子さんは、金閣寺の杉戸絵の前で、自分の命には限りがある。杉戸絵は何百年先も生きる。その時の姿をイメージして絵具を使ったと話しておられた。目先にとらわれると遠くが見えない。ギリシャ問題解決に世界の叡智が今正に試される。(了)
金閣寺の前庭でコケの手入れをしているおばさんがいる。ご精が出ますね、と声を掛けたら顔だけ上げて笑顔を返してくれた。日本画家、森田りえ子さんの杉戸絵公開展を見た帰りだったので3年も前のことだ。今も印象に残っている。最近は雑草の勢いがいい。少し目を離していると木の根元に草が、まるでまとわりつくように次々生えてくる。本当に気が抜けない。一本一本、雑草をつまみ取りながら、いつも金閣寺のおばさんのことを思い出す。
植物さんと付き合うようになってから何か変わったかを一つ上げろと言われたら、雨が降ることをむしろありがたいと思うようになったことだ。水やりが大変だということを実感する。草取りはまだいい。目を離せば命取りになるケースがある。例外的なケースかもしれないが、亡父が入院中、点滴の名札を取り違えられた時は参った。居眠り運転はその最たるものだろう。
司馬遼太郎さんの作品で、日本人は雑草を一本でも多く抜けば、その分、お米の収穫が増えることを学んだ。日本人が勤勉なのはそれが原点だと書いておられた。楽して金儲けすると誤解されている相場が嫌いな人が日本人に多いのは、そのあたりの事情が大いに影響しているのかもしれない。
「ワールドWaveMorning」を見ることから一日が始まる。フランスF2が、ギリシャで14日の月曜1日で8億ユーロ、ここ20日間で16億ユーロの預金が引き出された。現金自動払い機には多くの客がならんでいた。6月17日の再選挙投票日まで毎日,同じような光景が繰り返されるだろう。ギリシャ人の多くがユーロにギリシャがとどまるのか、それとも飛びだすのかどうかを恐れている。政府は資産凍結するとのうわさがある。1日の現金引き出し限度を1人1,000ユーロ(約10万円)とすることを検討していると伝えた。アテネ市内のある錠前屋のおかみさんが画面に登場、店の金庫の売り上げが去年より4割増えたと話していた。
英BBCは、キャメロン首相が、ギリシャは危機的状況にあることを認識すべきだと呼びかけ、ギリシャはユーロに留まるべきだ。イギリスを守ることは私の義務だと演説した。キャメロン首相は、米、仏、伊首脳と今週末開かれる米キャンプデービットでのG8を控えて電話会談した。フランスは緊縮より成長だといっていると記者に問われたキャメロン首相は「赤字削減か成長かではない。成長のための赤字削減だ。」と語気を荒げた。英国の首相がここまで危機を煽るのは異例だと野党は厳しく批判したと紹介していた。
17日、NY証券取引所は、スペイン国債の格下げニュ-ス、ギリシャでの預金引き出しの動き、米フィラデルフィア連銀報告が予想より悪いデータを出したことを受けて、NYダウは引けにかけて下げ足を速め、前日比156ドル安、12,442ドルで取引を終えた。米ブルームバーグに出演したディ―ラ―、D・モガべロさんは「明日フエースブックが上場される。アップル株が下げればip関連が下げる。あとしばらくは軟調相場が続く。」と話していた。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した大和証券キャピタルマ―ケッツアメリカ、山口秀宣氏は「スペイン情勢が不安視された。5月の米製造業指数が悪かった。民間調査機関のコンフエレンスボード景況感指数が予想を下回った。スペイン、ギリシャで銀行預金が急速に流出している。株価が下げ、ユーロが下げ、つれてドルも対円で一時79円前半まで売られた。」などと話していた。
17日、NY外国為替市場では、1ドル=79.31~36円、1ユーロ=100.70~75円で取引された。今朝5時45分からのテレビ東京系の「モーニングサテライト」に出演したフィスコNY,平松京子氏は「米経済指標が予想外に悪い数字が出た。米FRBが追加金融緩和に踏み切るのではとの観測が流れドルが売られた。さらにユーロは売られ易い状況が続く。」などと話していた。同番組に出演した三菱UFJモルガン証券、藤戸則弘氏は「欧州での景気後退が中国への波及を恐れている。そこへアメリカの景気がおかしい。世界的な経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)先行きを懸念している」などと話していた。
17日のNY原油【WTI】は小動き、バレル25セント安、92.56ドルで取引された。ホルムズ海峡封鎖など危機感を煽っていた時と比べると様変わりである。米国景気データが相場を冷やした。NY金先物相場はトロイオンス38.30ドル高、1,574.50ドルと急反発した。米FRBの量的緩和期待が相場を支えた。米債券相場が引き続き上昇、10年物国債債利回りはこの日も下げ、1.690% を記録した。米FRBの追加金融緩和の信号を送っている。
NHK/BS「世界の天気」。中国江蘇省、韓国でヒヨウが降った。アジア北東部全域に冷たい空気が居座っている。下界との温度差が大きいと雷、突風、ひょうが降り易い。果たして、5月21日に金環日食が日本で見られるかどうか。イギリスの気象局の予報は曇。中国は曇りのち雨と予測。なぜ違うのか。予報は人が出すから違うと話していた。
日本画家、森田りえ子さんは、金閣寺の杉戸絵の前で、自分の命には限りがある。杉戸絵は何百年先も生きる。その時の姿をイメージして絵具を使ったと話しておられた。目先にとらわれると遠くが見えない。ギリシャ問題解決に世界の叡智が今正に試される。(了)