30日朝放送ブルームバーグ(学校で教えてくれない経済学)
中国人民元と日本円とをドルを介さず、東京と上海で、6月1日から交換出来ると日本、中国それぞれの政府が発表した。中国人民銀行は「両国の利益になる」と話した。あるアナリストが、両国は尖閣問題、北朝鮮などで対立しているが、通商関係強化になると話す様子を30日朝6時台の「ワールドWaveMorning」で香港ATVの放送を紹介していた。
一方、 中国CCTVは、日本の海上自衛隊の「鹿島」{排水量4,500トン}、「松雪」(同3,050トン)が、4日間、中国の領土、黄岩島海域に滞在した。南シナ海で中国に影響力を行使しようとする狙いであると伝える様子を紹介していた。上記二つ並んだ日本と中国に関係するニュ-スが現在、日中が直面している実態の一端を象徴している。
人民元と日本円交換については、29日付けのWSJ紙電子版は、多くのページを割いて、紹介した。安住財務相談話、換算レートは100円に対して7.9480元である。日本が保有する1.3兆ドルの外貨に人民元は1%以下に過ぎない。今年1~4月期の世界の中国向け投資は379億ドル(前年同期比マイナス2.4%)だが日本のそれは27億ドルで16% 増加した。日本の中国投資は2001年から11年の間、3,462億ドルへ倍増した。大部分がドル建てだった。HSBC,Bank of China,Standard Chartered,一部インターネット銀行、三菱UFJ,三井住友、みずほでの人民元の預金が可能になるなどと書いていた。
29日付けのWSJ紙電子版は、日本企業のM&A投資がこのところ活発化しており、丸紅、武田、日本たばこなどについて具体的に詳しく書いていた。2012年に入って直近まで日本全体で340億ドルに達した。ロックフェラーセンター買収含め、1980年代から90年代にかけて日本がM&Aを積極化していた時の額の2倍以上である。日本国内の景気が昨年のフクシマ以降低迷していることと1ドル=80円の為替レートが2年前と比べて20%安く買えることが背景にあるなどと解説していた。
一方、メモリアルデー祝祭日明けの29日、NY証券取引所は、NYダウは、先週末比125ドル高、12,580ドルで取引を終了した。「ワールドWaveMorning」が紹介したブルームバーグ出演のトレーダー、BenWills氏は「スペイン銀行格下げ、米消費者信頼感指数悪化、米住宅データ予想以下で、ダウ125ドル上げは理解できない。中国が刺激策を発表した。日本も回復しているとの好材料もある。しかし、125ドル下げになってもおかしくないと、普通は判断するところですよ。」と話していた。日本人なら、こうは口に出して言わない。自分の意見を率直に言う。自由に発言する機会を与える。甘いかもしれないが、そういうアメリカに爽快感さえ感じる。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演したみずほコーポレート銀行、荒井守氏は「中国が投資案件の認可を早めると発表した。ギリシアが緊縮財政を受け容れる可能性があるとの情報が流れた。一時、スペイン銀行格下げニュ-スで下げる場面もあった。引けにかけて持ち直した。一方、為替市場ではユーロ安が進んだ。一時、1ユーロ=1.24ドル台までユーロが売られた。2010年7月来の安値である。欧州情勢から目を離せない。金曜日発表の5月の米雇用統計を注目している。4月は暖冬で雇用が伸びた。その反動が出るかもしれない。失業率は8.1%を予想している。結果次第では米FRBによる金融追加緩和に向けて政策が大きく変動するかもしれない」などと話していた。
29日、NY外国為替市場では、1ドル=79.50~52円、1ユーロ=99.30~34で取引された。NY原油(WTI)先物相場は、バレル10セント安、90.76ドル、NY金先物相場は、トロイオンス20.20ドル安、1,548.70ドルで取引された。29日付けのCNBCAsia電子版に金相場は年末にかけてトロイオンス1,800ドルを目指すとの専門家の見方を紹介していた。ユーロ不安が深刻化して、安全パイとして金に見直しが入ることを根拠にしていた。喜んでいい話しでない。状況は一段と悪化する。逃げ込み先の一つに考えているにすぎない。
その他の「ワールドWaveMorning」では、米ABCが、カリフォルニア沖で獲れた黒マグロにフクシマの放射能セシウムが検出された。9600キロ離れた場所である。しかも、450キロの巨体のため専門家も驚いた。レントゲンを一枚撮る時に受ける放射能より低いから人体には影響ない。ニンジンや青菜にもこの程度の放射能は含まれているなどとくどいほど心配ない、心配ないと繰り返していた米ABCのスタンスが印象に残った。
英BBCがシリアで民間人100人が虐殺された事件を受けて、在英シリア大使含め3人を1週間以内の国外退去を命じた。子供含め至近距離から撃たれていた。アサド大統領は、何の関係もないと言っている。アサドは国民の支持もない。あるのは圧倒的な軍事力のみだなどと解説していた。ロシアRTR、カタール、アルジャジ―ラともに詳しく報道、ロシアRTRは軍事行動の前触れかと解説していた。
フランスF2が、オランド大統領とのインタビューを流していた。就任翌日火曜日、メルケルドイツ首相、週金曜日にオバマ米大統領、翌日シカゴでNATO会議、翌週月曜はアフガニスタン電撃訪問と続いた。「ストレスを感じなかったですか?」とのアナ。「大統領としての心の準備は出来ていた。フランスは強国です。行動する大統領です。」と胸を張った。「気遅れしませんでしたか?ドイツとは距離を置いたのですか?」とアナ。「ドイツとの友情は必要です。ドイツだけを相手にして、他は後からついてこいとは言えません。メルケル首相とは合意点もあります。」などと答えていた。日本の首相だったらどう答える?国際感覚の彼我の差は歴然としている。(了)
中国人民元と日本円とをドルを介さず、東京と上海で、6月1日から交換出来ると日本、中国それぞれの政府が発表した。中国人民銀行は「両国の利益になる」と話した。あるアナリストが、両国は尖閣問題、北朝鮮などで対立しているが、通商関係強化になると話す様子を30日朝6時台の「ワールドWaveMorning」で香港ATVの放送を紹介していた。
一方、 中国CCTVは、日本の海上自衛隊の「鹿島」{排水量4,500トン}、「松雪」(同3,050トン)が、4日間、中国の領土、黄岩島海域に滞在した。南シナ海で中国に影響力を行使しようとする狙いであると伝える様子を紹介していた。上記二つ並んだ日本と中国に関係するニュ-スが現在、日中が直面している実態の一端を象徴している。
人民元と日本円交換については、29日付けのWSJ紙電子版は、多くのページを割いて、紹介した。安住財務相談話、換算レートは100円に対して7.9480元である。日本が保有する1.3兆ドルの外貨に人民元は1%以下に過ぎない。今年1~4月期の世界の中国向け投資は379億ドル(前年同期比マイナス2.4%)だが日本のそれは27億ドルで16% 増加した。日本の中国投資は2001年から11年の間、3,462億ドルへ倍増した。大部分がドル建てだった。HSBC,Bank of China,Standard Chartered,一部インターネット銀行、三菱UFJ,三井住友、みずほでの人民元の預金が可能になるなどと書いていた。
29日付けのWSJ紙電子版は、日本企業のM&A投資がこのところ活発化しており、丸紅、武田、日本たばこなどについて具体的に詳しく書いていた。2012年に入って直近まで日本全体で340億ドルに達した。ロックフェラーセンター買収含め、1980年代から90年代にかけて日本がM&Aを積極化していた時の額の2倍以上である。日本国内の景気が昨年のフクシマ以降低迷していることと1ドル=80円の為替レートが2年前と比べて20%安く買えることが背景にあるなどと解説していた。
一方、メモリアルデー祝祭日明けの29日、NY証券取引所は、NYダウは、先週末比125ドル高、12,580ドルで取引を終了した。「ワールドWaveMorning」が紹介したブルームバーグ出演のトレーダー、BenWills氏は「スペイン銀行格下げ、米消費者信頼感指数悪化、米住宅データ予想以下で、ダウ125ドル上げは理解できない。中国が刺激策を発表した。日本も回復しているとの好材料もある。しかし、125ドル下げになってもおかしくないと、普通は判断するところですよ。」と話していた。日本人なら、こうは口に出して言わない。自分の意見を率直に言う。自由に発言する機会を与える。甘いかもしれないが、そういうアメリカに爽快感さえ感じる。
「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演したみずほコーポレート銀行、荒井守氏は「中国が投資案件の認可を早めると発表した。ギリシアが緊縮財政を受け容れる可能性があるとの情報が流れた。一時、スペイン銀行格下げニュ-スで下げる場面もあった。引けにかけて持ち直した。一方、為替市場ではユーロ安が進んだ。一時、1ユーロ=1.24ドル台までユーロが売られた。2010年7月来の安値である。欧州情勢から目を離せない。金曜日発表の5月の米雇用統計を注目している。4月は暖冬で雇用が伸びた。その反動が出るかもしれない。失業率は8.1%を予想している。結果次第では米FRBによる金融追加緩和に向けて政策が大きく変動するかもしれない」などと話していた。
29日、NY外国為替市場では、1ドル=79.50~52円、1ユーロ=99.30~34で取引された。NY原油(WTI)先物相場は、バレル10セント安、90.76ドル、NY金先物相場は、トロイオンス20.20ドル安、1,548.70ドルで取引された。29日付けのCNBCAsia電子版に金相場は年末にかけてトロイオンス1,800ドルを目指すとの専門家の見方を紹介していた。ユーロ不安が深刻化して、安全パイとして金に見直しが入ることを根拠にしていた。喜んでいい話しでない。状況は一段と悪化する。逃げ込み先の一つに考えているにすぎない。
その他の「ワールドWaveMorning」では、米ABCが、カリフォルニア沖で獲れた黒マグロにフクシマの放射能セシウムが検出された。9600キロ離れた場所である。しかも、450キロの巨体のため専門家も驚いた。レントゲンを一枚撮る時に受ける放射能より低いから人体には影響ない。ニンジンや青菜にもこの程度の放射能は含まれているなどとくどいほど心配ない、心配ないと繰り返していた米ABCのスタンスが印象に残った。
英BBCがシリアで民間人100人が虐殺された事件を受けて、在英シリア大使含め3人を1週間以内の国外退去を命じた。子供含め至近距離から撃たれていた。アサド大統領は、何の関係もないと言っている。アサドは国民の支持もない。あるのは圧倒的な軍事力のみだなどと解説していた。ロシアRTR、カタール、アルジャジ―ラともに詳しく報道、ロシアRTRは軍事行動の前触れかと解説していた。
フランスF2が、オランド大統領とのインタビューを流していた。就任翌日火曜日、メルケルドイツ首相、週金曜日にオバマ米大統領、翌日シカゴでNATO会議、翌週月曜はアフガニスタン電撃訪問と続いた。「ストレスを感じなかったですか?」とのアナ。「大統領としての心の準備は出来ていた。フランスは強国です。行動する大統領です。」と胸を張った。「気遅れしませんでしたか?ドイツとは距離を置いたのですか?」とアナ。「ドイツとの友情は必要です。ドイツだけを相手にして、他は後からついてこいとは言えません。メルケル首相とは合意点もあります。」などと答えていた。日本の首相だったらどう答える?国際感覚の彼我の差は歴然としている。(了)