阪神なんば線車中風景
江嵜企画代表・Ken
今年7月に99歳になる在住之江の義母慰問の帰路、お馴染み阪神なんば線快速急行に乗車した。この日、義母は、ボケた、ボケたと言いながら、珍しく饒舌だった。張りきって,あと疲れるから、長い居は禁物である。小一時間で失礼した。
なんばでかなりの客が降りたが、たまたま座った席の正面にこれは絵になると思った若者二人のスケッチを始めた。
おそらく奈良から神戸方面への帰り道だろう。お疲れなのであろう、女の子はまるで泥酔者のように寝込んでいた。隣の男性は何はばかることもなく頭を女の子の肩に倒していた。無意識だと思うが、バッグは絶対離さないぞと言わんばかり男の子の手の表情が面白かった。
結婚式披露宴の帰りと思しきお神酒がはいった雰囲気の初老の紳士、野球帽をかぶった青年、女性二人を描き込んでまとめた。携帯かスマホか、目を点にして画面を追いかけていた。勝負は尼崎までの15分と決め、右へ右へと鉛筆をせわしなく走らせた。想定通り、なんばから乗った客は全員、尼崎で姿を消した。梅田から入ってきた姫路行き特急に乗り換えるのであろう。
阪神なんば線はこの3月で丸2年を迎える。近鉄にしてみれば悲願の神戸乗り入れは、大袈裟でなく50年来の夢だった。それが実現した。神戸の人間が奈良に気持ち近づいたというよりは、奈良方面の人が神戸に大きくアクセスした印象が強い。
3月10日から大相撲春場所がなんば府立体育館で始まる。3月22日からは沿線の甲子園球場で選抜高校野球である。おっかけ待望のプロ野球ペナントレース開幕と来る。阪神なんば線がいやまし賑やかになりそうだ。(了)