
『 七星論入門』出版記念パーティ
江嵜企画代表・Ken
新刊『七星論入門』【張南瑚編、新城三六監修)(発行、 図書出版浪速社:06-6942-5032】出版記念パーティが、ホテルクライトン新大阪で午後5時半からあり、日本画教室のあと梯子した。張南瑚氏の基調講演のあとこの日のために韓国から駆けつけた張夫人、新著の監修者の新城先生らが挨拶される様子を即興でスケッチした。パーティたけなわの中、張夫人がアリランを唄われ、会場の和やかな雰囲気が一段と盛り上がった。
帰路電車の中で『七星論入門』を後ろのページから読み始めた。夏目漱石が胃潰瘍と特に痔で悩んだ話が出てくる。張先生は「ストレスと砂糖の取り過ぎと思われます」と一言で「診断」した。『漱石、ジャムをなめる』(川内一郎著)の中で「千駄ヶ谷時代の漱石の朝食は、パンに白砂糖だけをかけて食べていた。森鷗外も同じだった。」と紹介している。
「漱石はアイスクリームが大好きだった」などとの記述の後、「砂糖が体にいかに悪いかについて、テレビや新聞は取り上げない。医学部でも鍼灸学校でも教えない。患者さんは実にかわいそうだと思う時がある。」と書かれたところが特に印象に残った。
張先生は日本文学に興味を持ち日本文学を学ぶために東北大学に留学した。現在、国立忠南大学日語日文学科の教授である。どのページから読み始めても韓国の方が書かれた文章ととても思えない流暢な日本語で書かれている。専門書でありがながら、思わず引き込まれてしまう魅力一杯の本であるところがすごい。
パーティーの席では、右と左に鍼灸師の若者と話す機会がありラッキーだった。この日、50名近くが参加していた。会場で多くの若者の姿を目にした。張先生は新城先生が開発された『七星論』を基調講演の中で「金鉱脈を見つけた。金があることはわかっています。それをこれからどう使うかがこれからの私の人生の道だ。」と話した。「どんな素晴らしい考えも生かすも殺すもおのれ次第だ」という言葉が印象に残った。
新城先生が、張夫人挨拶の後、張先生とのエピソードを紹介した。「張先生は、日本に勉強に来られた。勉強というよりそれは確認だったんですね。」と口火を切り、「日本文学の専門家と聞いた。」ので、オヤッと思ったと正直に告白された。ところが張先生の病歴、その後、手紙、メールのやりとりで、「自分の全てを伝えようと決めた。」と。そして「人生は人との出会いで決まる。心から信頼しあえるひととの出合いは5人といない。張先生はまさしくその一人だ。同じ志をもった人と出会えてこれ以上の喜びはない。」との言葉が印象的だった。
『七星論』開発者の新城三六先生は近々韓国で講演のあと、年内にもアメリカ、ロサンゼルスで講演の予定と聞いた。新城先生が開発された『紅彩学』は、「目は身体の全てのものを表現する」という点に着目、カメラで目を撮影し、画面を見て診断する治療方である。
日本人は名前を大事にする。アメリカ人に限らず外国人は名前ではなく、中身を大事にする。新城先生の講演を聞いて、アメリカ人の多くは文字通り目からウロコだろう。講演会場で、アメリカ人が、目をシロクロする光景が目に浮かぶようだ。時あって、いずれ、アメリカでの反響が日本に伝えられ、そこで初めて、遅ればせながらも、さすがの日本人も目が覚めるところとなるだろう。(了)