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バ―ナンキ記者会見後状況一変、NYダウ先物170ドル高、NY為替ドル売り進み1ドル=98円、

2013-07-11 09:59:11 | 経済学
原油WTIバレル106ドル(学校で教えてくれない経済学)


バ―ナンキ米FRB議長は、10日行われた講演のあとの記者会見で、①当面、十分な量的金融緩和は必要である、②失業率が6.5%到達後もしばらくは利上げはないと語った。バ-ナンンキ発言のあと、米国債が買われ、利回りが低下、NY株先物が買われ株価は上昇、一方、ドルが、対ユーロ、対円共に売られたと、10日付けWSJ紙電子版で、AlecandraScaggs記者が書いていた。CNBCテレビが、日本時間11日午前6時過ぎまでバ―ナンキFRB議長の記者会見での質疑応答場面を実況中継していた。テレビ画面右下隅にNYダウ先物相場が刻々流れ、NY先物相場は前日比170ポイント、0.5%上げた。10日のNYダウは前日比8ドル安、15,291ドルで取引を終えた。ところが、バ―ナンキ発言後、ドルは、1ドル=98.53円まで値下がりした。バ―ナンキ発言直前まで、ドルは、1ドル=100.50円、1ユーロ=1.2780ドルまで買われていた。バ―ナンキ発言後状況は一変した。

バ―ナンキ議長の質疑応答の場面を見ていると、時にユーモアを交え、時に1930年代の自らのハーバード大卒論テーマの大恐慌を踏まえ、アメリカ経済がはっきりとした回復が見られるまでは、量的金融緩和は必要と言った。この日の質疑応答のハイライトは失業率が6.5%を切った時点においてなお利上げはない。利上げと債券購入縮小は別との発言だった。これを聞いたエコノミストGregIP氏はCNBC電話インタビュ―で「ここまで彼が言葉に出すことは驚きだった。」と答えていた。利上げは最後の最後の手段。バ―ナンキには、アメリカは二度と大恐慌の愚を繰り返してはなるまいとの思いがよほど強いのかもしれない。

これに先立ち6月19日、FOMC議事録が発表された。6月10日米時間午後2時に発表された。FRBの債券購入額縮小を早期に始めるべしとの意見とそれに反対する意見が真っ二つに分かれていたことが改めて明らかになった。6月19日のFOMC会合の後のバ―ナンキ記者会見の後、株価が急落、債券が売られ、米10年物国債の利回りは、一気に、23ケ月来の高水準の2.756%へ急騰した。米長期金利利回り上昇を受けて、ドル高円安が進み、ドルは対円で1ドル=101円台まで買われていた。

10日付けのWSJ紙電子版は、10日、NY原油(WTI)は原油在庫の予想外の減少、需給タイトを材料に値上がり、バレル当り約3ドル急騰、106.52ドルで取引された。重質油ブレント物相場はバレル108.43ドル、WTI相場とブレント相場の格差が2ドルまで縮小した。一方、NY金相場は、小幅上げの1.50ドル高、トロイオンス1,247.40ドルで取引された。金相場の今後の見通しについて、見方が分れていると、9日付けのCNBC電子版が連日伝えている。世界の金需要でインドに次いでN0.2の中国で、中国経済がハ―ドランディングした場合、金が最も安全な資産であるとする見方が中国人の間で根強い。金相場は既に中小の金鉱山の精錬コストのオンス1,200ドル近辺まで値下がりしたことを根拠にしていると紹介していた。今朝のバ―ナンキ議長の質疑応答の姿をみているといかにマ―ケットとの対話を重視し、胸襟を開くことに全身全霊を打ち込んでいる姿が見て取れた。(了)

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