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「ナイルに架ける橋~ウガンダから見たアフリカと日本∼:平成28年度甲陽学院同窓会記念講演

2016-08-29 10:03:12 | スケッチ
(スケッチ&コメント)



「ナイルに架ける橋~」

江嵜企画代表・Ken


8月28日午後1時から開かれた平成28年度甲陽学院同窓会会員総会で、46回生、技術士、坂井逸朗氏の「ナイルに架ける橋~ウガンダから見たアフリカと日本~」と題し、質疑応答入れて約1時間半、要点をプロジェクターに映しながら、時にユーモアを交えての分かり易い講演を興味深く聞いた。会場の様子をスケッチした。

あらかじめ想定されていたのか、単なる偶然なのか不明であるが、27日ナイロビで開幕した「第6回アフリカ開発会議(TICAD6)」開会式の基調講演で、安倍首相は『今後3年間で官民総額300億ドル(約3兆円)規模の投資と技術者や感染症対策の専門家ら約1000人の人材育成に取り組む』と語ったと伝えられる。

坂井氏は、グアム、ケニア、フィリピン、ラオスなど世界各地で培った知識と経験を生かして、コンサルタント会社の責任者として現在はナイル川上流のウガンダで橋梁建設事業に関わっている。特に若い時代に英国で契約法務中心にコンサルタントの第一線を学んだことが大きいと話した。

ウガンダはどこにあるのか。東アフリカに位置する。東にケニア、南にタンザニア、南西にルワンダ、西にコンゴ、北に南スーダン、ここに現在、日本の自衛隊がPKO活動していますと坂井さんは地図を映した。

面積は24万㎢、日本は37万㎢です。イギリス連邦加盟国で国民は英語が得意であう。英語しか出来ない私は大変助かりますと会場の笑いを取った。国民一人当たりGDPは700ドル、コヒー豆、綿花などを栽培している。規模は小さいですが地震国でもあります。

坂井さんは「日本にとって、アフリカは、遠くて近い国です」と総括した。なんといっても日本にフレンドリーです。親日的です。アフリカには中国が大きく食い込んでいます。それは事実です。しかし、中国人は自分の利益追求して、あとは面倒見ない。そこが日本との違いだという見方が現地で増えてきています。

質疑応答では3~4人が質問した。一番手は「先ほど校長先生から母校の卒業生の80%が理系、しかもその理系の40%はお医者さんと聞いた。日本全体として、行く先、橋や道路の需要が減り、その分野の知識経験技術を生かす生徒もいなくなる。それなら海外ということなのか?」と聞いた。坂井さんは「国内では将来を考えれば、確かには公共投資は減る。一方、海外では需要は今後ますます増える。」と答えた。

もう一つお聞きしたいが「母校の生徒で、アフリカで仕事をするような子供さんはいるのでしょうか」とぶつけた。坂井さんは「むつかしい問題かもしれませんが。。。」と言葉を濁した。

二番手に「ウガンダにしろどこにしろ、アフリカ勤務というと奥さんがついてきますか?」と聞いた。坂井さんは「ケニアには子供は日本人学校がある。ウガンダで自分の場合は今は妻だけだからいいが、子供がいると、どうかな。自己否定するようだが。。。」と、ここでも、坂井さんは言葉を濁した。

安倍首相は第6回アフリカ開発会の議で「3兆円投資、1,000人の現地人人材育成」をぶち上げた。現実問題として誰がどう具体化するのか。アフリカの日本への期待を膨らましただけに終わりかねない。そんなことを考えながら帰路についた。(了)


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