原油下げ止まりと米国内複数の州で経済活動再開の動きを材料にＮＹ株1%高、一方,プーチン大統領、24日「対日戦勝記念日」へ改名する法案に署名とＮＨＫニュース（学校で教えてくれない経済学）

「原油需給改善の兆候は見られないがNY原油相場がバレル17ドル台で下げ止まった。アップル、グーグルが個人情報防護措置搭載機種を5月に発売と発表した。ウイルス感染者、死者数は増加しているが増加率は低下した。一部州で都市封鎖解除の動きが出てきている。米国経済は4~6月期は悪化するが新規失業保険申請件数は先週より改善した。24日、週末のＮＹダウは取引終了にかけて値を上げ、ダウ、ナスダックとも小幅反発して取引を終えた.
トヨタでさえコロナ禍に留う資金不足に対応するため借入額増加を大手行に要請した。」と24日、WSJ紙電子版は伝えた。

24日、ブルームバーグ電子版は「①米FRBは24日、債券買い入れ額を150億ドル/日から100億ドル/日に引き下げた、②NY原油相場が需給改善が見られない中もバレル17ドル台を維持した、③米国内でコロナ感染死亡者が5万人を突破した。抗マラリア特効薬のコロナウイルス処方に一部疑念が出てきた、④日本は5月大型連休をめどにコロナ終息を目指している、⑤ブラジル大統領は検察トップを解任した。ブラジル経済はBull(買い)からBear(売り)へ流れが変わり24日ブラジルドベスタ株価指数は6％近く下落した」と伝えた。

24日、ロイター通信電子版は「24日、NY市場は、ダウ、23,775ドル、260ドル、1.1%高、ナスダック、8,634,1.7%高と揃って値上がりした。恐怖指数VIXが36.09へ12.8%低下した。米債券が買晴れ10年債米利回りは0.60% 低下した。NY外為市場でドルが売られ、1ドル＝107.40円で取引された。対ユーロおよび英ポンドは対円で1ユーロ＝116.15円、1英ポンド＝132.84円と円高が進んだ。原油（WTI）は17.11ドルと17ドル台を維持した。ＮＹ金はオンス1,711ドルで取引を終えた。」と伝えた。24日、ロイター電子版は「①ＮＹ州クオモ知事はコロナ感染拡大は欧州帰国者からの影響が大きい。」と語った。米国でのコロナ死者数は5万人を超え、朝鮮戦争の際の米国人死亡者数を超えた。全米死者数の40%をNY州が占めた。②米航空業界のコロナ禍は改善していない。ユナイテッド航空の1~3月21億ドル（2,200億円）赤字を発表した。同社の株価は25.56ドル、1月高値から60%下落した。米国内最大航空のデルタ航空株価は22.41ドルと1月高値の60%安で取引を終えた。787ＭＡＸ機種50%減産発表のボーイング株価は128.98ドル、6%安、 1月高値からほぼ60%安い。」と伝えた。

25日、NHKニュース電子版は「プーチン大統領は9月3日を対日戦勝記念日と改名する法案に24日署名した。愛国的な伝統を強化し歴史の記憶を保持するためと明記した。中国は抗日記念日と既になっている。今回のプーチン署名で北方四島返還交渉はさらに難しくなる。」と伝えた。ロシアは原油暴落でさらなる財政悪化に直面している。ルーブル相場はコロナ禍により20%値下がりしている。ロシア経済は欧米による制裁でマイナス成長だ。国内でのコロナ感染拡大にここへ来て原油暴落が追い打ちをかけた。バルカン半島への医療機器援助もＥＵ結束切り崩しに狙いがある。国際動向から目を離すことが出来ない。（了）

神戸老舗菓子メーカーＭ社の株主総会風景（スケッチ＆コメント）

Ｍ社の株主総会風景　

江嵜企画代表・Ken

神戸老舗の菓子メーカーＭ社の株主総会が4月24日（金）午前10時から神戸ベイシエラトンホテルで開かれ楽しみして出かけた。新型肺炎コロナウイルス感染拡大で非常事態宣言が出た渦中での株主総会である。よくお越し下さいましたと言わんばかりの受付での応対、会場に入ればマスゲームがこれから始まるかと思わせるほぼ2メートル離してイスが用意されていた。あとでわかったがもし入り切らない株主用として別部屋が用意されていた。

お決まりのように冒頭社長さんの挨拶があり「なにかと不行き届きあるやもしれませんがご協力よろしくお願いします」との言葉で始まった。

筆者はなぜ株主総会に出かけるのか。株主の質問に対して社長さんの生の声が聞けるからである。一瞬、間が開いたところで手を挙げたが、既に先着がおられ,この日は二番手だった。

一番手の男性は「利益剰余金がある。配当にまわしてほしい」と切り出した。社長さんは「コロナ感染拡大で非常事態宣言が出たあと相次ぎ仕入先が閉店を決めた。命と健康を守ることと企業存続に全力を集中したい。厳しい決算が予想される。この先何が起こるかしれない事態に備えたい。」とかわした。

二番手に手を上げた筆者は冒頭、様々なリスクを承知の上株主総会を開催されたことに敬意を表したい。」と述べ「御影に住んでいます。阪神御影駅前のバレンタイン公園を見ながら過ごしている。100周年記念を楽しみにしている」と続けた。

「日本では、いま、コロナ、コロナで夜も日も明けぬが、4日前にNY原油相場が大暴落した。マイナス価格をつけるという未曽有の出来事があった。24日朝、NHKニュースはインドネシア航空が6月1日まで国内線、国際線ともに全便運航停止を伝えていた。御社はUAE，シンガポールでの２社など海外展開を活発化していると報告書にもあった。国内も厳しいが海外顧客はどうなっているのか。」と尋ねた。そして「今回のような前例のない事態を船長さんとして日々どのように内外に対応されているのか。国にとっても安全保障は欠かせない。企業にとっても安全保障はおろそかにできない。そのあたりをお聞かせねがいたい」と質問を終えた。

社長さんは「国内では関係220店中100店が閉鎖に追い込まれた。お中元シーズンに入る。どうしたらいいのかと聞かれている。ウイルス感染が拡大する中、正直、見通せない。まずは職員の生活と健康を守る。企業を何が何でも残す。その一点に絞って日々、社内、関係先に直接出向き、情報を精査しながら対応している。海外活動ではシンガポール、UAE店は休業を決めた。香港も同様の措置を予定しているが現時点では大きなダメージに至らないと見ている。」などと答えた。

二度目手を上げた一番手の株主は「御社は百貨店に力を入れすぎではないかとかねてから指摘されていたが、今回のコロナウイルスで間違いだったことが一層はっきりした。どうされるのか」と追いかけた。

社長さんは「三越伊勢丹、大丸松坂屋さんの休業決定はきびしい。百貨店のウエートを減らす取り組みは30年前から始めている。一店舗当たりの売上高向上と効率的運営、新商品開発が確実に成果を上げている。出来たてのおいしさを提供する「窯出しチーズ」は人気商品で「ららぽーと沼津」に見られる。土産商品やインターネット販売にも力をいれている。」と応じた。


株主各位も今回のウイルス禍は一筋縄では収まりきらない。当社の業績に甚大な影響を及ぼすことも十分承知している。

限られた時間であったが社長さんの誠意ある答えをいただいた。何はさておき企業を残すことだと社長さんは言い切られた。100周年を見届ける自信は筆者に全くない。しかし、社長さんの不退転の決意表明を本日の株主総会で耳にすることが出来、感謝しながら帰路に就いた。（了）