6月20日、NY株式市場は、原油相場の新高値更新を嫌気して前日比
10ポイント下げ10,613で取引を終了した。
米景気指標とされるコンフエレンスボード指数が予測の0.3%減を
下回る0.5%減と発表されたことも、目先第3四半期の景気は弱いとして、
NY株の売り材料とされたようだ。
NY株がいまひとつ盛り上がりに欠ける要因の1つに、米住宅バブル
崩壊懸念もあるようだ。
長期金利が4%割れを維持していることは、米景気の先行き鈍化に
信号を送っているとの指摘がある。しかし、その一方で、低い長期金利が
住宅ローン金利を低位に安定させ、借り替え、買い替えを繰りかえし、
結果として雪達磨式に住宅価格バブルを派生させているという指摘である。
もし、現在の米国の住宅価格がバブルであれば早晩崩れる。
崩れたら結果はみじめなことになるだろうと近着6月27日付の
米経済雑誌、Business Weekは警告している。
ただ、当面の悪材料は原油相場がバレル60ドルを越えてどこまで
値上りするかということであろう。
相場の世界では行き過ぎはつきものである。
外国人と話していると”Its Nature”ということばがよく出てくる。
生来持って生まれたものという意味であるが、言葉の裏に、
「だから厄介なんだ。」と自戒を込めてしばしば使われる。
相場が一端上向きになると、値上げ材料の「盛り付け」が盛んに行われる。
まだ発生もしていないハリケーン襲来がひとつ。
米製油能力不足が第2。最近ではナイジエリアの政情不安。
それにノルウエーでのストライキと並べてくる。ロシアでの
供給不安も日替りメニューよろしく早晩出てくるであろう。
日本でもガソリンが多少値上りしてきた。ようやく庶民の話題に
なり始めた。しかし、まだ口もとは緩んでいる。腹の底から深刻に
60ドル原油の意味を受け止めていないことだけは間違いない。
ドルベースで60ドルを越えても、円相場が1ドル=105円近辺で
収まっていたから暢気にしておれたことに日本人はいまのところ
気が回らないのかもしれない。
いずれ航空会社がネ(音)を上げるだろう。あげくの果ては航空運賃の
ネ(値)上げであろう。
ハウス栽培の野菜は原油高騰の影響を100%受けるだろう。
目に見えない形で野菜を値上げしてくるに違いない。
極端な悲観論は厳に慎まなければならないが、
円が安くなれば日本のガソリンも一たまりもないだろう。
為替相場は、ユーロが、フランスがEU憲法批准に「ノン」投票を投じて
以来腰砕けになってしまった。昨日は、EU閣僚会議で、2007~2013年
中期予算協議が不調に終わり、これがまたユーロ売りの新たな材料に
されたようだ。
米国の経常赤字が、GDPの6.4%を越えた。これは米ドルにとって
悪材料である。米景気もいま1つスッキリしない。原油相場も天井知らずの
雲行きである。本来、ドルが売り込まれてもおかしくない。
ところが、現実は、ユーロの先行きに当面、回復のメドがたたない
として、ドルが買われたに過ぎない。つれて、対ドルで、日本円も
1ドル=109円49銭まで売られた。
原油新高値更新、米住宅バブル懸念、NY株下げる:米国経済。
NY株価の現在の気迷い相場は、手短に、日本人にも
いろいろなことを教えてくれているようだ。(了)
10ポイント下げ10,613で取引を終了した。
米景気指標とされるコンフエレンスボード指数が予測の0.3%減を
下回る0.5%減と発表されたことも、目先第3四半期の景気は弱いとして、
NY株の売り材料とされたようだ。
NY株がいまひとつ盛り上がりに欠ける要因の1つに、米住宅バブル
崩壊懸念もあるようだ。
長期金利が4%割れを維持していることは、米景気の先行き鈍化に
信号を送っているとの指摘がある。しかし、その一方で、低い長期金利が
住宅ローン金利を低位に安定させ、借り替え、買い替えを繰りかえし、
結果として雪達磨式に住宅価格バブルを派生させているという指摘である。
もし、現在の米国の住宅価格がバブルであれば早晩崩れる。
崩れたら結果はみじめなことになるだろうと近着6月27日付の
米経済雑誌、Business Weekは警告している。
ただ、当面の悪材料は原油相場がバレル60ドルを越えてどこまで
値上りするかということであろう。
相場の世界では行き過ぎはつきものである。
外国人と話していると”Its Nature”ということばがよく出てくる。
生来持って生まれたものという意味であるが、言葉の裏に、
「だから厄介なんだ。」と自戒を込めてしばしば使われる。
相場が一端上向きになると、値上げ材料の「盛り付け」が盛んに行われる。
まだ発生もしていないハリケーン襲来がひとつ。
米製油能力不足が第2。最近ではナイジエリアの政情不安。
それにノルウエーでのストライキと並べてくる。ロシアでの
供給不安も日替りメニューよろしく早晩出てくるであろう。
日本でもガソリンが多少値上りしてきた。ようやく庶民の話題に
なり始めた。しかし、まだ口もとは緩んでいる。腹の底から深刻に
60ドル原油の意味を受け止めていないことだけは間違いない。
ドルベースで60ドルを越えても、円相場が1ドル=105円近辺で
収まっていたから暢気にしておれたことに日本人はいまのところ
気が回らないのかもしれない。
いずれ航空会社がネ(音)を上げるだろう。あげくの果ては航空運賃の
ネ(値)上げであろう。
ハウス栽培の野菜は原油高騰の影響を100%受けるだろう。
目に見えない形で野菜を値上げしてくるに違いない。
極端な悲観論は厳に慎まなければならないが、
円が安くなれば日本のガソリンも一たまりもないだろう。
為替相場は、ユーロが、フランスがEU憲法批准に「ノン」投票を投じて
以来腰砕けになってしまった。昨日は、EU閣僚会議で、2007~2013年
中期予算協議が不調に終わり、これがまたユーロ売りの新たな材料に
されたようだ。
米国の経常赤字が、GDPの6.4%を越えた。これは米ドルにとって
悪材料である。米景気もいま1つスッキリしない。原油相場も天井知らずの
雲行きである。本来、ドルが売り込まれてもおかしくない。
ところが、現実は、ユーロの先行きに当面、回復のメドがたたない
として、ドルが買われたに過ぎない。つれて、対ドルで、日本円も
1ドル=109円49銭まで売られた。
原油新高値更新、米住宅バブル懸念、NY株下げる:米国経済。
NY株価の現在の気迷い相場は、手短に、日本人にも
いろいろなことを教えてくれているようだ。(了)