9月6日、原油続落とカトリーナ被害受けて米FRBの利上げ
ペースにブレーキがかかるとの観測から、NYダウは前日比
141ドル高、10,589ポイトで取引を終えた。
シカゴ日経先物相場もNYダウに連れ高したので、日経ダウも
値上がりが予測される。
相場は人の心の鏡である。
日量200万バレル備蓄原油の放出でタイトな世界の原油需給に
根本的な解決にならないことは頭では分かっている。
しかし、やや不安感がとれたというだけでNYダウは141ポイントも
飛び跳ねた。
ハリケーン・カトリーナに対するブッシュ大統領の対応の
まずさをこっぴどくとがめられたことから、年内4.25%までの
利上げの観測が後退しつつあるたことも株式市場にプラスに
働いたようだ。
しかしながら、米FRBがそう簡単には利上げペースを落とすとは
考えられない。その証拠にドル相場は1ドル=109円半ばで
ドルを売る気配は表面化していないからだ。
どこから見てもドルが買われる地合いはないが、
米短期の誘導金利のFFレートが昨年6月から上げ
スタンスにギアが切り替わった流れを受けて、ドルが対ユーロ、
対円で比較的高く買われてきた面が強い。
為替相場は金利に敏感に反応するが、株式市場は
利上げ、利下げに為替相場以上に鋭敏に反応する。
NY原油先物相場は、バレル1.61ドル値下がりした。
しかし、まだ、65.96ドルの高値であることに変わりない。
値上がりしたのは原油だけではない。天然ガスの
値上がりも見落としてはならない。
天然ガスの相場は、1年前6ドルだった。それがいま
12ドルだから2倍にはねあがったことになる。
冬場の需要期に備えて、天然ガスは、いま在庫積み増しの
時期だから、今回のカトリーナ被害の影響はむしろこれから
じわじわと表面化してくるだろう。
米国の発電量の17%は天然ガスに依存しているといわれている。
カトリーナが被害をもたらしたメキシコ湾岸での天然ガス生産は
米全土の1/4を占めるといわれている。
要するに原油をめぐるファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は
基本的には解決していないのである。
原油相場急騰で被害を受けているのは米国だけではない。
テレビ東京の9月8日の朝の番組でインドネシアがひどい打撃を
受けていると岡田解説員が説明しておられた。
岡田さんによればちょっとした石油危機がいま、
インドネシアを襲っているというのである。
インドネシアはOPEC(石油輸出機構)のメンバーである。それが
昨年から輸入が輸出を逆転した。現在輸入月60万バレル、輸出は
月40万バレルであるかられっきとした石油輸入国である。
インドネシアは90年代の始めは日量160万バレルの原油を生産していた。
現在は日量100万バレルまで激減した。政変をいやがってメジャーが
新規投資を忌避したからである。
インドネシア政府はガソリン高騰で打撃を受けた企業に補助金を
出しているが天井知らずお値上りで財政がパンクした。
つれてルピアが暴落、1ドル=8,500ルピアがいま10,500ルピアまで
値さがりしている。通貨暴落は国を破産に追い込むことになる。
日本という国が心得ておかないといけないことはいろいろある。
その一つが石油、天然ガスをほぼ100%輸入に頼っている
ことである。
石油、天然ガスに限らない。
日本という国は資源のほとんどを輸入に依存しているが
為替レート次第で簡単に貧乏になってしまう危うさを常に
からだに内包している。
現在1ドル=110円台で助かっているが円がこれからも
売られない保証はなにもない。
もう一つは日本の金利が異常に低いことである。
からだでも同じである。異常に出たりひっこんだりしているところ
から病気が出てくるケースがはなはだ多い。
金利が上がれば国債はつれて値下がりする。破産寸前の
日本の財政は国債におんぶに抱っこである。
インドネシアのミニ石油危機は日本人にとっても
他人事では済まされまい。
原油、金利揃い踏みでNYダウ上げる。
原油、金利、為替動向に目を離すことは出来ない。(了)
ペースにブレーキがかかるとの観測から、NYダウは前日比
141ドル高、10,589ポイトで取引を終えた。
シカゴ日経先物相場もNYダウに連れ高したので、日経ダウも
値上がりが予測される。
相場は人の心の鏡である。
日量200万バレル備蓄原油の放出でタイトな世界の原油需給に
根本的な解決にならないことは頭では分かっている。
しかし、やや不安感がとれたというだけでNYダウは141ポイントも
飛び跳ねた。
ハリケーン・カトリーナに対するブッシュ大統領の対応の
まずさをこっぴどくとがめられたことから、年内4.25%までの
利上げの観測が後退しつつあるたことも株式市場にプラスに
働いたようだ。
しかしながら、米FRBがそう簡単には利上げペースを落とすとは
考えられない。その証拠にドル相場は1ドル=109円半ばで
ドルを売る気配は表面化していないからだ。
どこから見てもドルが買われる地合いはないが、
米短期の誘導金利のFFレートが昨年6月から上げ
スタンスにギアが切り替わった流れを受けて、ドルが対ユーロ、
対円で比較的高く買われてきた面が強い。
為替相場は金利に敏感に反応するが、株式市場は
利上げ、利下げに為替相場以上に鋭敏に反応する。
NY原油先物相場は、バレル1.61ドル値下がりした。
しかし、まだ、65.96ドルの高値であることに変わりない。
値上がりしたのは原油だけではない。天然ガスの
値上がりも見落としてはならない。
天然ガスの相場は、1年前6ドルだった。それがいま
12ドルだから2倍にはねあがったことになる。
冬場の需要期に備えて、天然ガスは、いま在庫積み増しの
時期だから、今回のカトリーナ被害の影響はむしろこれから
じわじわと表面化してくるだろう。
米国の発電量の17%は天然ガスに依存しているといわれている。
カトリーナが被害をもたらしたメキシコ湾岸での天然ガス生産は
米全土の1/4を占めるといわれている。
要するに原油をめぐるファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は
基本的には解決していないのである。
原油相場急騰で被害を受けているのは米国だけではない。
テレビ東京の9月8日の朝の番組でインドネシアがひどい打撃を
受けていると岡田解説員が説明しておられた。
岡田さんによればちょっとした石油危機がいま、
インドネシアを襲っているというのである。
インドネシアはOPEC(石油輸出機構)のメンバーである。それが
昨年から輸入が輸出を逆転した。現在輸入月60万バレル、輸出は
月40万バレルであるかられっきとした石油輸入国である。
インドネシアは90年代の始めは日量160万バレルの原油を生産していた。
現在は日量100万バレルまで激減した。政変をいやがってメジャーが
新規投資を忌避したからである。
インドネシア政府はガソリン高騰で打撃を受けた企業に補助金を
出しているが天井知らずお値上りで財政がパンクした。
つれてルピアが暴落、1ドル=8,500ルピアがいま10,500ルピアまで
値さがりしている。通貨暴落は国を破産に追い込むことになる。
日本という国が心得ておかないといけないことはいろいろある。
その一つが石油、天然ガスをほぼ100%輸入に頼っている
ことである。
石油、天然ガスに限らない。
日本という国は資源のほとんどを輸入に依存しているが
為替レート次第で簡単に貧乏になってしまう危うさを常に
からだに内包している。
現在1ドル=110円台で助かっているが円がこれからも
売られない保証はなにもない。
もう一つは日本の金利が異常に低いことである。
からだでも同じである。異常に出たりひっこんだりしているところ
から病気が出てくるケースがはなはだ多い。
金利が上がれば国債はつれて値下がりする。破産寸前の
日本の財政は国債におんぶに抱っこである。
インドネシアのミニ石油危機は日本人にとっても
他人事では済まされまい。
原油、金利揃い踏みでNYダウ上げる。
原油、金利、為替動向に目を離すことは出来ない。(了)