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OECD,ECBの利上げをけん制ー学校で教えてくれない経済学

2005-12-01 06:27:29 | 経済学
パリに本部を置くOECD(経済協力開発機構)は、米国の貿易赤字と明日にも実施されようとしているECB(欧州中央銀行)による利上げに対して、これが世界経済の足かせになるだろうと強い懸念を表明したとWSJ紙〈11月30日〉は伝えている。

特にECBの利上げの動きに対しては、どこを探してもインフレが広がる実態も脅威も存在していない。EU内の景気は依然として弱く、インフレの兆候は見当たらないと強調した。

OECDは、2006年と2007年の世界の景気見通しを当初の2.7%増から2.9%増へ上方修正した。米国については、‘05年の3.5%から’06年は3.5%、‘07年には3.3%増と予測した。日本については、今年の2.4%増から’06年は2%増とやや景気は鈍化すると予測した。

2003年から2倍の値上がりとなった原油相場の世界景気に与える打撃については、当初予測した以下に収まるだろう。ただ、原油相場と‘07にはGDPの7%を占める米貿易赤字は世界経済のリスクである。名指しを避けながらも、世界貿易の中で独自の為替政策のもとで、一人シエア拡大を図る中国の商業主義を厳しく非難した。

原油相場については、更なる値上がりは世界経済を不安定にさせるとしてきしながらも、現在のバレル58ドル水準にある原油相場は、‘07年には51ドル程度まで値下がりするであろうと予測した。

OECDは特にECBの利上げの動きに対して、利上げは来年の9月もしくは10月まで実施を見送るべきである。ここ5年据え置いてきた2%からの利上げが実施されれば、欧州の景気は今年の1.4%増から2006年には2.1%増にとどまるだろと指摘した。

ECBのJean-Claud Trichet総裁は、11月18日演説し、利上げの用意があると明快に表明している。

ルクセンブルグのJean-Claud Juncker首相は、ECBが利上げすれば一時的な欧州の景気回復を途絶させてしまう。ECBは利上げの危険性を認識すべきであると警告したとWSJ紙は報じている。

OECDは先週、日本の量的金融緩和政策解除の動きにも待ったをかけた経緯がある。日本では株式市場活況を見て景気を楽観視する向きが増えているが、世界景気が危うさのなかに息づいていることに思いを寄せることも日本人としてこの際必要かもしれない。〈了〉

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