石平氏大いに語る
江嵜企画代表・Ken
石平氏の講演会が3月17日(土)午後2時から大阪府社会福祉会館で開かれ家族と楽し
みにして出かけた。石平氏はユーモアを交えながら、よどみなく、ゆっくりとしたテ
ンポで話をした。1時間強の講演と引き続く参加者との質疑応答を堪能した。いつも
のように会場の様子をスケッチした。筆者も含めてであるが年寄りの姿が目立った。
ご婦人が結構聞きに来ておられた。自分勝手な想像だが、長年の石平ファンなのだと
思われる。
「3月17日、本日、北京で開かれた、第13回中国全人代第1回会議で国家主席に習近平
共産党総書記が再選、国家副主席に王岐山が選出された」と言ったあと、黒板に「王
岐山」の3文字を石平氏は大きく書いた。石平氏は「習・王体制がこれからの中国を
決めていくことになる」と明快に述べた。
怖いというか、きわどいというか、日本にとっても身近であるが故に次々飛び出す切
実な話を1時間強聞いたあと、満を持したように7~8人が質問した。主催者側も心得
たもので、「質問されたい方は予め手を上げてください。一人一問です。手短に、わ
かりやすく。日本語でお願いします。」と言って会場の笑いをとった。
① 米中対立はこれから強まるかと聞いた。石平氏は強まると答えた。②憲法改正
に2人が反対
3人が棄権した。その人たちは大丈夫なのかと聞いた。石平氏はあらかじめ打ち合わ
せした結果でしょう。中国では選挙ですが選挙ではありません。習近平の国家主席に
は全員が賛成した。反対したら生きていけないと石平氏はにやりとした。選挙という
が形式にすぎない。あらかじめ決まった内容が確認される。それが中国での選挙だと
答えた。
③クマのプーさんを羽生結弦選手がマスコットに使っている。習氏は北京五輪で認め
るかと聞いた。石平氏はクマのプーさんを習近平と比べたらクマのプーさんがかわい
そうですよと石平氏は答えた。④一帯一路構想はうまくいくのかと聞いた。石平氏は
「失敗するだろう。貧しい国が相手だからお金だけ取られる。日本は協力しないこと
です。日本が不参加を決めたアジア開発銀行も同じです。」と答えた。
⑤朝日、毎日、最近ではNHKもだが、工作員が入っていると聞くが石平さんのご意見
はと聞いた。石平氏は「その通りです」とひとことで答えた。⑥習主席と軍との関係
はどうかと聞いた。「習近平が頼りにしているのは軍です。習の一言で戦争がはじま
ります」と答えた。
⑦日清戦争を習近平はどう評価しているのかと聞いた。「習近平は国家的記念日を重
要視している。いわゆる南京事件もそうだ。日清戦争は負けると思っていなかった日
本との戦に負けた。中国人にとってこれほど屈辱はない。日清戦争で日本に負けたこ
とによって中国は前へ進んだ。日清戦争は中国の近代化のきっかけとなった」と石平
氏は答えた。
講演に戻す。「これからの中国は今回副主席に選ばれた王岐山と二人の体制で進めら
れることがはっきりした。王岐山は習近平のただ一人の親友だ。王岐山は腐敗撲滅で
精力を尽くした。習近平は何度も暗殺の危機に見舞われている。汚職の疑いは全ての
共産党幹部は持っている。習を殺してやりたいと思っているひとを次々摘発した。習
近平は保身のために憲法を変えた」と石平氏は話を始めた。
話は米北首脳会談に飛ぶ。「アメリカは北と直接対話を決めた。これは中国排除で
す。米空母カールビンソンがベトナムに寄港した。アメリカ議会が用意した「台湾旅
行法」にトランプ大統領は16日に署名した。首脳同士で自由に往来できる。台湾を国
として認めていないが習近平はメンツ丸つぶれだ。これからアメリカの矛先は中国へ
向かう。いままで中国との関係がよかった英、独、仏との関係もうまくいかなくなっ
て来ている」と石平氏は話を続けた。
アメリカと北朝鮮との直接対話との関連で北朝鮮の非核化はどうなるかに話が進ん
だ。「北朝鮮が営々と続けてきた核開発を北朝鮮が手放すはずがありません。トラン
プさんもそれは十分わかっている。北朝鮮のミサイルがアメリカ本土に届かなければ
アメリカは問題ない。今の状態で核開発を止めようとトランプさんは金正温に会って
みようと決めたのだろう。しかし、北のミサイルは簡単に日本に届く。怖いのは日本
です。」と石平氏は話した。
「今後、中国は日本にどう向かってくのか」と石平氏は話を向けた。一帯一路構想の
国際会議が先日、開かれたが欧米で参加した国はイタリアだけ。お金のない国だけが
集まった。中国は日本を入れたい。安倍さんは使ってみたいとスルスルと言いまし
た。その一方で、中国は戦略爆撃機を紀伊半島まで飛ばしてきた。中国の潜水艦が日
本近海にしょっちゅう現れています。中国は日本を恫喝しているのです。」と続け
た。
「今後、日本は中国とどう向き合うのか。中国は憲法改正であと10年、20年、習近平
の長期政権で軍国主義が続く。中国は尖閣をとる。沖縄もとる。日本をとる。台湾を
どう守るか。南シナ海をどう守るか。北の核兵器に日本はどう対処していくか。日本
の国会では森友ばかり議論している。とにかく日本の国、日本国民の命を守ってほし
い。その気持ちに尽きます」と言って石平氏は講演を終えた。(了)