画・江嵜 健一郎
今年もバラが元気に咲きました。♪バラが咲いた、バラが咲いた、まっ赤なバラが♪のおなじみの歌詞とメロディーが浮かんでくる。
赤いバラの苗木を買ったが毎年同じ幹からピンクの花もつける。今年も数週間前から咲き始めていたが、ここ数日、上へ上へ天まで昇れとばかり一気に花数を増やしてきた。
スケッチしていたところ「綺麗にバラが咲きましたね。毎日,楽しませていただいていますのよ。」とさるご婦人が声をかけて来た。「お声をかけていただきありがとうございます。」と定番の挨拶をしたがマスクのせいもあるがお会いした記憶がない。
「28年前の神戸大震災のあと、ご存じと思いますが〇〇さんのお宅を買い取り住んでいます」と話しが続いた。こころあたりはないがこういう時は聞き役に徹することが大事である。
バラのお陰で話に花が咲いた。聞きもしないのに御歳83歳とおっしゃる。つい「当方は今年6月末で85になる」と話しを合わすと「まだまだ若い。あと10年は頑張りなさい。」とエールを頂いた。
「先祖の墓が徒歩10分ところにあるがお墓参りはせいぜい年2~3度で失礼している。こちらは月3回は来ている。もん白蝶、アゲハ、シオカラトンボ、セミなども飛んでくる。祖母かな、今日は誰かな、とご先祖さんを勝手にイメージして虫たちと話をするのが楽しい。」とご婦人に答えた。
バラを植え始めたころアブラムシに手を焼いた。ここ数年は虫が全くつかない。時々無駄な枝を切ってやる。下草も徹底して取ってやる。これも風通しを良くしてやるためである。
年2回のお礼肥しはやる。水道管がないので水は撒けない。植物さんもそれは承知で、ご機嫌で毎年きれいに花を咲かせて道行く人も楽しませてくれているようで誠にありがたい。
いつまで続けられるが全く自信はないが、お天道さんが見守ってくれているあいだは楽しみたいと思っている。(了)