「10日発表の米4月CPI(消費者物価指数)、米債務上限協議の行き詰まり、くすぶり続ける米地銀不安を受けて、9日、NY株は小幅ながら値下がりした。多くのエコノミストは4月の米CPIは年率5%上昇しインフレは持続する。5%は米ＦRBの物差しではまだ十分高い位置にある。年内に利下げに転じるとの観測がCPI統計が出るたびに出たり引っ込んだりしている。」と9日、ブルームバーグ電子版が伝えた。ブルームバーグは「①米地銀がこれ以上破綻しない。②インフレ率が予想より速く低下する。③米FRBが利上げ停止を明確にする。④債務上限交渉が合意に達する。少なくとも上記4点が揃った段階ではじめて新しい局面を迎える。今は動くタイミングでないと見ている投資家は多い。」と解説していた。
9日、NY市場でダウは33,561ドル、56ドル、0.17%安、S&P500は4,119と18ポイント、0.46%安、ナスダックは12,179と77ポイント、0.63%安で取引を終えた。恐怖指数VIXは17.71と4.30%上昇した。米10年債利回りは3.519%と0.10%低下した。NY外為市場では1ドル＝135.29円、0.14%高、1ユーロ=148.31円、0.16%安、1英ポンド=170.78円、0.24%高で取引された。4月の米CPIが予想5.0%に対して上下の動きでドル安かドル高に振れるだろう。米債務上限で9日、マッカーシー米下院議長がバイデン米大統領と会談した。進展なしで12日再び会う予定とブルームバーグが伝えた。イエレン米財務長官は6月1日にも債務上限に到達する（債務不履行）と連日警告している。
NY原油（WTI）はバレル73.59ドル、0.82%高、北海ブレントは同77.27ドル、0.87%高で取引された。中国統計局が9日、4月の輸出が減速、輸入が減少したと発表した。中国経済が言われるほど回復していないことを足元の貿易統計が示している。現役時代の李克強前中国首相は「中国経済は電力消費量と貿易動向を見ていると分かる。」と発言していた。NY金はオンス2，043.50ドル、0.77%高、ビットコインは2万7，636ドル、0.02%安、ほぼ横ばいで取引された。
10日、朝放送のNHK/BS「ワールドニュース」で英BBCは「５月9日、ロシアのナチス戦勝記念日にモスクワ赤の広場でパレードが行われプーチン露大統領はナチとの戦に必ず勝利すると兵士を鼓舞した。例年と様子が違った。パレードの先頭に旧式の戦車が一台、兵士の数は大幅に少なかった。相次ぐドローン攻撃による被害を抑えるためとみられる」と伝えた。シンガポールCNAは「①パキスタンのカーン前首相が9日、逮捕された。②インドネシアで開催中のアセアン外相会議でミヤンマー軍事政権の対応が主要議題となった。ミヤンマーは平和提案を拒否した。」と伝えた。韓国KBSは「①ユン韓国大統領就任後1年が経過した。直近の支持率は支持するが33%、支持しないが55%だった。②福島原発処理水調査団が派遣される。韓日首脳シャトル会談で決まった。台湾が先に処理水調査団を送ったが東京電力が同行し調査の内容は限定的だった。」と伝えた。いつもながら問題はどうする日本が問われている。切れば血が出るという言葉がある。特に若者が奮起して欲しい。（了）
