脾査穴の取穴方法
先日の臨床実践塾では、chatGPTの説明が長くなり、臨床実技の時間が短くなってしまいました。
ですから「臨床解説」の時間には、
・写真と症状
・症状と病因の解説
・症状に合わせた治療テクニック
等を説明しました。
その中で、脾査穴に関係するのがありましたので、脾査穴の取り方と実技をやりました。
七星鍼法を学んだ方は「脾査穴」をご存知だと思いますが、単に「だいたいの部位を知ってる」だけでは治療効果がありませんので、
「効果的な取穴法と刺鍼方法」ということで説明しました。
「脾査穴」とは、七星鍼法におけるツボの名称です。
七星鍼法は、新城が考案した治療法であり、特定のツボに鍼を刺激することで、体のバランスを整える方法です。
具体的に「脾査穴」とは、脾臓に関連するツボです。
脾査穴は、一般的には消化器官や免疫系の調整に関与していると考えています。
脾臓は消化吸収や免疫機能の調節に関わっており、脾査穴の刺激によって脾臓の働きや体内のバランスの改善が期待されるわけです。
しかし、「脾査穴」は筋骨格系の治療にも使うことができ、下肢の歪みや捻れを調整するのにもよく使います。
そして、高い効果を現わすのは、婦人科の治療です。
たとえば、「生理痛」なら、脂汗を流すような痛みで来院しても、即座に痛みをなくすことができるのです。
逆に言うと、脾査穴に異変があれば「婦人科にも異変がある」と考える事ができるわけです。
※上の写真の方は婦人科に異変があるわけではありません
婦人科の治療に使われるツボに「三陰交」というのがありますが、「脾査穴」というのは「三陰交」に近い位置にあります。
三陰交は、伝統鍼灸では、月経障害の改善( 月経不順、生理痛、月経過多)などの月経関連の症状の緩和に効果があるとされています。
さらに、冷え性や不妊症への働きかけとして、血行を促進し、子宮や卵巣の機能を改善すると考えられています。
しかし、取穴方法や刺鍼方法を間違うと、マイナスの効果が出てしまうこともあります。
なぜですか?
三陰交は、下肢に走行する陰経の「肝経、腎経、脾経」の三つの陰経が交わるところという意味がありますが、それだけではツボに「的中」させる事はできません。
ここに「七星鍼法」の特徴があるのです。
一般的なツボの説明としては、
【下肢の内側、くるぶしの頂点から指4本分位上。骨の際を上下に1~3センチの間で探ると、少しへこんでいるような箇所があります。骨の際に向かって押すと響くような、痛気持ちいいような、もしくは痛いところです。そこが三陰交というツボです】と書かれていると思います。
しかし、七星鍼法での取穴は、「後脛骨筋」に刺鍼するのです。