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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

夕焼けと葉っぱの色と

2006-05-14 09:03:08 | 科学/考察

 去年の今ごろ、なぜ葉緑体が緑色なのかについての記事を載せたが、その後いろいろと考えてまた少しわかったので、再度まとめておく。

 太陽光のスペクトルを上に示す(「太陽地球人」HPより引用。虹の7色として、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫とよく言われるが、等間隔になっているわけではないのは意外であった)。
 紫の外側には、見えないけれども紫外線というのがあり、物を褪色させたり細胞を傷めたりする。だから、できるだけそこには近付きたくはない。
 そこで、紫とは逆側の光を利用することになるのだが、パッと見てわかるように、赤系統の色が半分近くを占めているため、そこらの光を光合成に利用すると、自然その補色である緑色が反射される。従って、葉っぱは緑色となる。
 また、朝焼けや夕焼けが赤いことでわかるように、太陽からの可視光線のうち、最も早く地上に届くのも、最も遅くまで地上に届いているのも、波長の長い赤系統の光である。それを利用しない手はない。つまり、夕焼けと葉っぱの色とは、密接な関係があるということだ。(ついでに言うと、夕焼けというのは図のスペクトルを逆さにしたものであるらしい)
 そしておそらく、赤のすぐ外側の赤外線も少しは利用しているに違いない。赤外線は熱線とも言われており、光合成という、温度が高めの方がいい化学反応にはもって来いなのである。
 これらを総合すると、植物が赤系統の光を利用し、そのためその補色である緑が目に映るというのは、至極当然のことなのである。

 …というようなことを、科学雑誌でも見たことがない。子供の「どうして葉っぱは緑色なの?」という質問に対し、「葉っぱには葉緑素という緑の色素があり、光合成を行なっているからです」なんてのは、答になっていない。もちろん光合成を説明することは大事なことであるが、根本的なところから考えないと、子供の素朴な疑問には答えたことにはならないのではないか。どなたか、ご意見戴きたいものだが。
 まあこれは葉っぱの色に限らず、何かの生理現象に対し、それを引き起こす化学物質をいくら特定しても、それが〈何ゆえ〉起きるのかの説明とはなり得ないのではないか。一生懸命研究している人には悪いのだが、特に生き物の場合、何らかの〈意思〉が働いているはずなのだから。

 さらに、葉っぱは赤い光を中心に利用することはわかったが、生き物が利用するのは別に可視光線だけとは限らない。波長が違うだけの同じ電磁波なのだから、X線あるいは電波を利用して成長する生き物がどこかの惑星にいても、何らおかしくはない。

 ついでながら、紫の「外側」に紫外線、赤の「外側」に赤外線、という言い方をしたが、それぞれ英語ではUltraviolet(UV),Infrared(IR)と、直訳すれば「紫を超えた」「赤より下の」となる。
 これは、日本語が可視光線という範囲の内側から見て表現しているのに対し、英語では波長の逆数である周波数の小さい所(極端に言うと周波数ゼロの原点)、上下逆であるが、図では上の方から見て表現しているからである。

 あと、なぜ重力はあるのか、なぜ光はあるのか、といったことも考えているが、こいつはなかなか難しい。
コメント
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