中国製ギョーザのニュースで持ちきりである。どうも作為的な事件のようだが、被害に遭われた方、検査・調査・捜査など対応に追われている方は、大変だろうと思う。
しかし当たり前の話であるが、回収された製品、すべてが危険なわけではない。おそらく、ほとんどは安全なものであろう。万が一のことを考えると止むを得ないのであろうが、もったいないことである(もったいないと言えば、質の良い紙が回収されるというのも、実にもったいない話だ)。どこの誰だか知らないけれど、余計なことしてくれたもんだ、と思う。
そして、中国製品がすべて危ない、というのも、過剰な思い込みであろう。
同じようなことは、他の場合にも言える。何か事件、例えば子供が犠牲になる事件が起きると、大人はすべて「悪い」あるいは「怪しい」となりがちである。でもこれも当たり前の話なのだが、全員が全員、悪い人間ということはありえない。おそらく、99.9%は〈善人〉なのである。0.1%の〈悪人〉のために、残りの善人が色メガネで見られるというのも、バカらしい話。
最近は、小さな子供にも話しかけづらくなってしまった。大人が子供に話をするのに遠慮がいるなんて…こんな世の中でいいのかなあ、とも思ってしまう。
NHKだって、インサイダーやってたのはほんのひと握りであろう。ほんの数名のために、他の1万人以上の職員が変な目で見られる…。一事が万事という見方もあるけれど、一部を見て全部がそうだと判断することは、あまり論理的とは言えない。
ギョーザに戻ろう。中国製だということで大騒ぎになっているけれども、当該メーカーのほとんどの従業員は、まじめに働いているのだろう。今回の件も、おそらく1人の不心得者がしでかしたものに過ぎないに違いない。犯人は見つからないかもしれないが。
いずれにせよ、また余分な規制が増えることになるのだろう。
…ギョーザギョーザと騒いでいるので、ゆうべは家族でギョーザやシューマイを食べました。ギョーザを避けると、何だか犯人の思惑に乗せられたような気がして。ちょっと食べ過ぎてしまいましたが。
なお今回のタイトルは、竹内薫『99.9%は仮説』(光文社新書)のもじり。この本もなかなか面白かった。
〔写真はasahi.comより〕