29日からの休みを利用して、和歌山へひとり旅。新宮(しんぐう)、太地(たいじ)、湯の峰温泉と回ってきました。
紀勢本線も多気(たき)を過ぎると、熊野の山々と熊野灘。天気も良く、海・山・空ともに青々してて、ずいぶん癒されたのでした。(この熊野の山は、あとでヒイヒイ言いながら歩くことになる)
特にファンというわけではないけれど、亡くなった中上健次氏の故郷が新宮。その中上氏もよく行っていたという「やきとり三味」へ。串盛合せや鶏の刺身にビールで2000円弱。
きれいなおカミさんや気のいい兄さんから、中上氏は編集者などとよく来ていて、はやり豪快な人だったことを教えてもらった。
少し飲み足りないのでブラブラしてたら、どこかのお寺の前にしゃれたクラブがあり(たしか「山」という名前)、焼酎のお湯割りなど。カウンター越しに、そこの姉さんと「ひとり旅はいいよー」なんて話をしていた。
その姉さんに新宮みやげは何がいいか尋ねたところ、「香梅堂」という菓子処の〈鈴焼〉を勧められ、翌日買って帰ったらこれがまたウマくて。
泊まったビジネスホテル(サンシャイン)の近くには銭湯があり、もの凄く久しぶりに銭湯に入ることもできた。
次の日は早くから市内観光。ヤタガラス(日本サッカー協会のシンボルでもある)で有名な熊野速玉大社、2200年前にこの地にやって来たという中国人を祀った徐福公園と回ったあと、捕鯨で有名な太地へ。
40代以上の人なら懐かしいだろうと思うけど、鯨の竜田揚げというのが昔の給食にあって、今はもうほとんど食べられない。それが本場・太地にはあるというので、行ったわけ。
「くじら家」という店で、その竜田揚げ定食を。1780円と少々値は張ったが、ウマかったし、懐かしかった。
その近くの「くじらの博物館」へも。なかなか見応えがあったし、クジラショーも楽しませてもらった。ジャンプなんかはよくあるけれど、クジラの鼻先に人間が足を乗せ、そのまま水上を滑走するというのは、僕は初めて見た。子供みたいに喜んでしまった。
何て言うのか、インストラクターの兄さん姉さんが、凛々しくてカッコ良かったし。
なお、いずれも初めての土地なので、ご存知『るるぶ/南紀 伊勢 志摩』を持って行った。「やきとり三味」も「くじら家」も、それで調べていたもの。
そうそう、新宮から太地への電車の中で、遠足行きらしい地元の小学生がウジャッと乗り込んできて、「どこ行くの?」なんて話をしていたら、「おっちゃんイケメンや」「そや、イケメンや」と言われてしまった。子供は無邪気でいいな、と思いつつ「はいはい、ありがとね」と。 【つづく】
〔写真は「くじら家」前の南国情緒あふれる道路〕