太地から新宮に戻る電車の中でまたもその小学生たちに遭遇し、「うわっ、またおった!」とビックリされた次第。普通列車が1時間にせいぜい1本で、しかも2両編成のせいもある。(電車やバスが頻繁に出ているわけではないので、初めての方はご注意を)
さて新宮からバスに揺られて熊野本宮大社へ。1時間ほど山に入るのだが、右手に見える熊野川はゆったりとしたもの。本宮もそれほど山奥という感じはしなかったが、歴史を感じさせる、いい雰囲気の場所だった。速玉大社もそうだが「日本第一大霊験所」とかで、しっかりお願い(というよりお礼)をしておいた。
2日目の宿はその近くの湯の峰温泉。ちょうどいいバスがなかったため歩くことにしたのだが、普通の道なりに行くとえらく大回りになるようで、その辺で聞いて、間の大日山を越える「大日越(だいにちごえ)」というのをやった。
足には多少自信はあるのでこれに挑戦したのだが、いや大変だった。先が読めないせいもあるが、上りは肉体的にも精神的にもキツかった。いい天気が続いていたので足元悪くなかったことと、ケモノやハチに遭遇しなかったのは幸いだったが、峠にたどり着いた時はホントにホッとした。
そうそう、この道は〈熊野古道〉の一つらしい。ドキドキワクワクするってんで、駅前に「クマの鼓動」なんていうポスターがあったけど、確かにドキドキしてしまった。途中誰にも会わなかったし、あまり人は使わないのかもしれない。
それでも、道のり2.2kmで小一時間はかかると言われていたところ、40分で湯の峰に着けた。(どんなもんだい、と思っていたら、あとで古傷のヒザが痛くなってしまって。イテテ…)
湯の峰は日本最古の温泉らしく、水路沿いに旅館・民宿が10数件並ぶ、静かなところ。その中でも建物が古くてシブそうだった「くらや」という民宿へ。
汗かいたあとの温泉そしてビールの嬉しかったこと。あとシカ肉のお刺身もウマかった。なお温泉は、多少硫黄のにおいがし、ふわふわした白い湯の華もたくさん。
この「くらや」さん、チョーヤ梅酒のCM(工藤夕貴)で以前使われたことがあるそうで、ほとんど貸切り状態だったこともあり、そのCMで使われた部屋に泊まることができた。確かに、窓からの景色は風情のあるものだった。(これだから旅はやめられない)
翌日はバスや電車を乗り継ぎ、ひたすら自宅へ。途中新宮駅で「くじら弁当」を昼用に、「めはり寿司」を土産用に買って、と。いずれも、とてもおいしかった。なお「くじら弁当」は、予約しといた方が無難、かも。
和歌山は、ほかにも潮岬や白浜、それに高野山と、行ってみたい所がまだまだあるので、いつかまた。
〔写真は、ヒイヒイ言いながら登った大日越の道〕