退職間近の先輩と出張中に話をしていて、高校時代、陸上短距離走で市の記録を塗り替え、今も抜かれていないということを聞いた。そういう風には見えないので意外だったし、20年以上の付き合いであるにも関わらず、自慢していいそんな話が初めて聞けるというのは、いいなあと思った次第。
「あの小さなおじさん、空手か何かの有段者だって」
「静かな人だけど、会社では偉かったらしいよ」
「実家は地元の名士だって」
「奥さんえらい美人だってよ」
「お兄さん東大で、お子さんは慶應だって」
「投書が何回も新聞に載ったんだって」
「頭良くて、子供の頃は有名だったらしいよ」
「女子アナの○○さんは姪っ子だって」
「ジャズの世界では結構名が知られているそうな」
「東北に毎年ボランティアに行ってたらしい」
「ひそかに凄いブロガーだったって」
なんてことが、たとえば遺影の前で言われるようであれば、それはそれでカッコいい生き方であるに違いない。