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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

よくぞここまで

2014-07-27 10:38:33 | エッセイ
 
 暑い中、就職活動している大学生の息子を見て、30年前の自分の頃を思い出す。

 
 部活(サッカー)に明け暮れ、専門(薬学)とは関係のない本ばかり読んでいたので、学生時代の成績は散々なもの。浪人していたうえ留年までして、職は持てないかもと思っていた。「人生終わった」と感じたことも、ある。
 ところが、4つ受けた中の1社にトントンと決まり、今もそこで働いている次第。家庭も持ち(大変だけど)管理職にもなって、あと6年ほど定年まで頑張ればいいってところまで来た。
(小さい頃からの塾通いを始め、たとえばこれをもう一度やれって言われても、とても無理)

 そこそこの大学を出て、そこそこの会社でそこそこの地位、そしてそこそこの収入にそこそこの生活…上を見ればキリないし、下を見てもまたキリない。もっと頑張れたのかもしれないし、どこかで踏み外していたかもしれない。
 あるいは別の大学/会社に入っていたらまったく別の人生だったのは間違いないだろうが、それでもこれと同じようなブログに同じようなことを書いていたのかもしれない。
 ただ、人はその人にふさわしい人生を歩むもの、でもあるらしい。

 しかし今の時代、正社員になることも家庭を持つことも、ママならなくなってきているらしい。
 2012年時点で日本の雇用者数は5353万人、うち非正規社員が4割弱の2042万人。さらに年収200万円以下のワーキングプアが1100万人弱、そして216万人が生活保護を受けているそうだ。
 そういう人たちは実に気の毒でもあるし、そうならなくて良かった、という気もしている。もちろん環境もあるだろうし、運にもよることだろう。
 夢が持ちにくい時代と言えるのかも。
 さてうちの息子。ブラック企業なんかに引っかからず、真っ当な職が得られれば、と。

コメント
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