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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

一流かどうか

2015-11-22 19:28:58 | 時事
 今年になって業界の仕事をやることになり、結構出掛けることも多くなった。それはそれで大変なのだが、いい気晴らしにはなってもいる。
 他の会社のメンバーと一緒に仕事するとなると、どうしても緊張してしまうものだが、ある時ふと「はたして彼らは一流なのだろうか」という考えが頭をよぎった。もちろん低く見るつもりはないけれど、自分と同等くらいだと思うことでフッと気持ちが軽くなり、そのあとの説明がうまくできたのを覚えている。

 話変わってフランスのテロは大変だ。実行犯とされる顔写真を見ると、まあ普通の若者に見える。しでかしたことはもちろん非難されるべきものだが、彼らは彼らで、身を挺して実行するほど「真剣に」考えていたに違いない。善悪はともかく、ひょっとしたら僕らよりよほど「真面目」なのかも。
 あるいは。苦しむ祖国のため、せめてもの反撃を試みたのかも。「俺らの気持ちもわかってくれ」という、悲痛な叫びもあるに違いない。そういう目で見てみると、ある意味可哀想な存在、哀しい存在だ、とも。

 ちょうど大河ドラマ『花燃ゆ』に、西南戦争で敗れて捕われた薩摩兵士なんかが出ていたけれども、彼らとて「国のため」とでもいった理由があったことだろう。テロの実行犯も、同じように改心させられないものか。
 ところでこのドラマ、あまり期待していなかったのだが、終盤になって非常にいい感じになってきている。志(こころざし)かあ、忘れていた。

 一流かどうか、というのは難しい問題。周りの人間すべて「一流」と言えもするし、「一流」なんて滅多にいない、とも言える。一面では一流でもほかの面では三流、ということも。
 ところで、一流の人間は「相手が一流かどうか」なんて考えないに違いない。そうすると僕もまだまだだなあ、と。

 本屋に行けば、『一流の男 一流の風格』『人生で大切なことはいつも超一流の人たちから学んだ』『なぜ一流の男の腹は出ていないのか?』と、結構最近「一流」ばやりである。
 …話があちこち飛びました。


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