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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

言い訳するな!

2020-02-16 07:19:13 | エッセイ
 昭和初期生まれの親父(既に他界)は軍隊に入っていたこともあり、僕ら子供の頃は怖いし頑固で仕方なかった。
 その親父からよく言われていたのは「言い訳するな」「めそめそするな」「ヘラヘラするな」で、今もそれらは骨の髄に染みている。

(ここからは自慢めいてしまうがご容赦を)
 60過ぎて今も会社で重宝されている(?)あるいはうまく使われている(?)のも、特に「言い訳しない」おかげだと思っている。
 仕事していればミスは付き物(僕も大失敗やらかしたことがある)。自分のミスであっても部下のミスであっても、やはり言い訳はほどほどにしておいた方がいいだろう。
 言い訳のうまい、口先だけの奴はどこにでもいるものだが、そういう奴に限って仕事できないし重要な役目は任せられていない。当たり前と言えば当たり前。(もしそういう人間がずっと上にいるようなら、他の職場に移った方がいいかもしれない)
 だいたい、言い訳するとそれに対して突っ込みが入り、ますます立場悪くなる。ひと言「済みませんでした」とだけにしておけば、あとは察してくれるというもの。そこまで考えれば、やはり言い訳はしないに越したことはない。
 それとよくあるのは「オレは聞いてない!」というもの。聞いていないからといって責任逃れできると思っているのが何とも浅ましいし、仮に聞いていたとしても大したことはできなかったろう。だからそういう場合は「話聞いてなかったけど、何?」と聞くのが〈正しい〉のだろうと思う。

 べらべら口がうまい人間より、不愛想でも口の堅い人間の方が、信頼できるし信頼されるもの。
 相田みつをの名言に「べんかいのうまい人間 あやまりッぷりのいい人間」というのがあるし、確か『論語』にも「過ちを犯した場合、小物は必ず取り繕う」という意味のことが書かれている。
 ついでながら、定年退職者のような古株の役割ってのは、「知恵袋」であることと若い者同士の「緩衝材」になることだそうだ。(のんびり〈妖精さん〉やっている場合じゃない!)

 そういえば、昭和天皇も言い訳をしないで亡くなってしまった。口をもごもごさせたあとキュッと口元締めるのをよく目にしたが、あれは弁解含め言いたいことを我慢していたのではないか。「臣下○○の報告が誤りだった」「話が違ったのだ」等々。確かめるスベはないけれども。
 

コメント
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