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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

自然な日本語訳を

2009-03-15 09:46:45 | 言葉/ナンセンス
 
 日曜夜6時からのTBS系『THE 世界遺産』はいい番組だ。なかなか実際に行くことはできない分、見事な画面を充分楽しませてもらっている。
 その最後に、“This program has been brought to you by SONY.”というナレーションが入る。日本語にすると「ソニーの提供でお送りしました」となるのだろう。

 気を付けてテレビCMを見ていると、社名に続けて企業スローガンを英語で表記しているのが多い。
 たとえばキヤノンだと“make it possible with canon” これを「キヤノンと一緒にそれを可能にしなさい」なんて直訳すると、何のことだか全然わからない。「キヤノンならできる」と意訳した方が、イメージは伝わると思う。
 ちなみにこの会社、「キャノン」ではなく「キヤノン」だそうだ。

 あとパナソニックでは“ideas for life”、ホンダでは“The Power of Dreams”、ダイハツだと“Innovation for Tomorrow”、三菱自動車だと“Drive@earth”、三菱電機だと“Changes for the Better”とある。最後のは「もっとより良く」あるいは「より良い社会めざして」といったところか。
 難しいのはナイキの“JUST DO IT.” 「やるぜ!」だろうか。

 今はどうか知らないが、学校の英語の授業で、変てこりんな和訳というのがよくあった。“My name is Taro.”を「私の名前は太郎です」とするのは訳としては正しいのだが、普通日本人は「私は」とか「僕は」は付けないので、「太郎です」または「太郎と言います」の方が自然な日本語だと思う。
 同様に“My uncle lives in Tokyo.”も、単に「おじさんは東京に住んでます」の方がなじめる。
 それから“I think ~”というのも、日常会話ではあまり「~と考える」とは言わないから、「~と思う」あるいは「~じゃないかなあ」の方がしっくりする。
 小学校から英語をやることになりそうだが、直訳で変な日本語を教えるのはやめてほしい。子供たちには自然できれいな母国語を覚えてもらわないと、思考力が落ちてしまうから。

 ついでに言うと、“The news made me happy.”(それ聞いて嬉しくなった)とか“Let me see.”(見せて)とか、独特の表現というのが外国語にはあるのだが、自然な日本語に直さないと、頭の中の思考とすんなりつながらない。

 ところで冒頭の『THE 世界遺産』。あれだけ素晴らしい映像を見せられると、ついいい製品・画面で見たくなる。ブルーレイやブラビアのCMを入れて、そこがソニーの狙いなんだろうけど。
 いやいや、純粋にきれいな映像を楽しめばいいだけか…
 


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