今年1月に「なぜ長湯だと指がしわしわ?」という新聞記事があった。
水を吸ってふにゃふにゃになると考えられていたが、どうも自律神経の働きで指先の血管が収縮することで起きるものらしい。てっきり浸透圧のせいだと思っていたけど、そう単純でもないようだ。
いずれにしても、指先しわしわになることで物をつかみやすくなるため、生きるのに有利であるには違いない。
今月初めには「朝食『時々』メタボ注意」という記事もあった。
時々しか食べないと、食べられない時もあるのだ、と体が認識して内臓脂肪を蓄えやすくなるんだそうだ。
一定の量を毎朝食べるのがいいということになるのだが、非常時に備えて脂肪を蓄えてくれること自体は、生きるのに有利であるに違いない。
植物の葉っぱが緑色をしているのも、人間の足が2本であるのも、赤ん坊がかわいらしく見えるのも、熱帯の動物のオスが派手な色をしているのも、すべて生きるのに有利であるため。
そうでなかった場合のことを考えれば、よく出来ているなあ、と感心するほかない。
そうそう、野生の動物はエサをそのまま(火も通さずに)食べているけど、すごいなあと思う。僕だったら、いや普通の人間だったら絶対におなか壊すだろう。
あそれから、専門紙で「キンモクセイの香りで食欲減退」という記事も読んだ。
理屈はよくわからないけど、キンモクセイの香りを嗅ぐとゆっくり食べるようになり、食事量が減るのだという。将来的にはダイエット効果のある商品につながるかもしれないとのこと。
キンモクセイといえば〈食欲の秋〉の季節を代表する花。それが食欲を抑えてくれるとは、キンモクセイが「考えて」のことなのか、それとも人間を含む動物が「考えて」のことなのか。
…やはり自然は不思議だ。