自分ができないことを他人には要求する、
多くの人が無自覚にやっていることですが、
それでは物事が前に進みません。とても非生産的です。
他人を批判するのではなく、自分を反省することが哲学することの核心だと言われます。
【この世で一番やさしいことは何か?―他人を批判することだ。この世で一番難しいことは何か?-自分を知ることだ。】
とは、哲学の祖と言われるタレスの言葉ですが、自分の存在のありようを見つめることはほんとうに難しいものです。私も50を過ぎてようやく少しだけ可能になってきました。
自分を知るための条件は、自分がよいと思うことを、主体者になって、実際・現実にやってみることだと思います。制度内・システム内での言動を超えて、裸の一個人としてやってみることです。批評家ではなく、主体者として生きることには、素晴らしいエロースがあるのでとても「お得」です(笑)。
人の批評をする前に、自分なら何が?どのように?どれだけ出来るか?を考えて、実際にやってみる。そうすると、いかに一つのことを成すのが大変であるかが了解できて他者への優しさが生まれ、心の芯が強くなれるのではないでしょうか。
武田康弘