思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「良心の囚人」を囚人とした最高裁の知的・道徳的退廃は、倫理なき日本の象徴

2008-04-12 | 社会思想
イラク派兵反対のビラを自衛隊員の宿舎に入れた市民グループの3人が逮捕され、75日間も拘置されましたが、この処罰は合憲、という判決が昨日最高裁判所で出ました。

わたしはこのビラの内容には賛同する者ではありませんが、ビラをポストに入れただけで逮捕され、2か月半も拘置される国は、軍事独裁政権や共産主義政権など国家が国民を下に置くような政治体制をとっている国以外にはありえません。

いうまでもなく、民主主義の核心・原理中の原理は、日本国憲法第19条にある「思想及び良心の自由」ですが、しばしば警察は、この原理から逸脱する行動をとることがあります。右翼の行動には甘い対応をし、左翼の行動は厳しく取り締まる、というのは、戦前の「治安維持法」下の思想警察の名残りかもしれませんが、これでは民主主義を守ることが使命の現代の警察とは言えません。その間違いを正すのがほんらいの司法の役割であるにも関わらず、最高裁判所が警察や検察の判断を追認するだけというのでは、わが日本は、戦後60年以上たってもいまだに「お上」に従うという後進国でしかないことになります。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、彼らを日本ではじめて「良心の囚人」に指定しました。ミャンマーの軍事政権下で民主化を訴え、自宅監禁されているスーチーさんもこの「良心の囚人」に指定されていますが、その「良心の囚人」を救うはずの裁判所が、彼らを「囚人」として罰する!!これは、知的にも道徳的にも許し難い「堕落」であり、最高裁判所の裁判官は、日本の【公務員倫理】の低下を世界に向けて発信したとしか評しようがありません。

もし、真の愛国者がいるならば、このような事態に憤慨しなければならないでしょう。


武田康弘
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする