思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ふつうの判決が「画期的」!?航空自衛隊のイラク派遣は「違憲」

2008-04-19 | 社会思想
なぜ、自分の仕事に誇り=倫理感を持てないのか?
わたしはほんとうに不思議です。

裁判官であれば、司法の独立を誇り高く己の心に刻む、それによって民主主義の原理を守り活かす、という生き方が自己の存在を深く肯定できる条件でしょう。

しかし、現状は、政府という行政権力に頭を下げ、検察庁という行政権力に追随するだけ(有罪率99パーセントという民主主義国家は日本以外にはありません)です。

これでは民主主義の基本である権力分立(三権分立)が無いに等しく、【行政権力による独裁的な政治】と言われてもまったく抗弁できないでしょう。

このような悲しい現実がつくられるのは、もちろん裁判官個人の問題だけではなく、システム上の欠陥と官府の巧妙な詐術によるものですが、これを正すためのはじめの一歩=基本条件は、民主主義の原理を明晰に自覚することです。

航空自衛隊のバクダット(戦闘地域)への米軍の輸送が「イラク特措法」に違反し、それは武力行使を禁じた憲法9条の一項に違反する、という名古屋高裁の青山裁判長(3月で退官)の判決は、普通の人の常識で考えればそれ以外の答えは論理上導けないわけで、あまりに当然の判決ですが、こういう裁判官の良心に従ったふつうの判決が「画期的」とされるところに、日本の司法の危機があります。

また、【違憲】という判決が下されても、なにも変えようとしない日本国政府は、民主主義国の政府として失格であることはこれまた当然の話でしょう。


武田康弘
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