今日の大学クラス(in『白樺教育館』)の授業は、原理次元の話をしました。哲学と倫理について、アウトラインを示しました。
哲学を肯定するには二つの立場があり、
一つは、従来の「哲学史哲学」(哲学書の読解を中心とする哲学)。
もう一つは、わたしが提唱し実践する「恋知としての哲学」(現象学的認識論の原理を踏まえ、日々の具体的経験を基に、さまざまな人間の営みについて自分の頭で考える実践)です。
それに対して、人間の生をすべて経験的次元に降ろして見る=認識の意味と価値の問題を考察しない思想は、「反哲学」です。
倫理についても同様に、倫理的価値を重んじるのには二つの立場があり、
一つは、従来の「上下倫理」(孔子の儒教道徳など)。
もう一つは、わたしの言う「民主的倫理」(言動の内容に付き、個人と個人の約束事を一番の土台に据える礼節)で、サルトルの実存的倫理も類似する。
これに対して、倫理を無視する立場は、「反倫理」です。
武田康弘