放射能の人体に与える影響を研究してきた京都大学の「良心の科学者」たちは、万年助手(名称は、2007年から呼称がかわり「助教」に変更となった)として学界から冷遇されてきました。
参議院で一昨日、参考人として真実を話した小出裕章さん(優れた放射線研究者・62歳)と共に活躍する今中哲二さん(60歳)は、やはり「万年助手」として冷遇されてきたひとりですが、昨日の東京新聞「こちら特報部」では「暗闇を照らすともしび」としてその活動を紹介しています。
毎日ようにテレビに出て脚光を浴びる東京大学工学部の教授たちは、東電から多額の寄付をもらい(寄付講座という名目で)、経産省や東電と一体化して、お金と地位のために魂を売り渡し、現場調査で真実を追求するという科学者の基本すら放棄した人間であることに比べて、「万年助手」である彼らの倫理性・学問性の高さはまさに「暗闇を照らす光」と言えます。
東京新聞のデスクメモの欄には、以下のようにあります。
「原発事故は社会の本質を可視化させた。都市と過疎地、巨大資本と被ばく労働者といった差別構造、政官業学の癒着もそうだ。もうひとつ。今中「助教」の皆さんの存在が知られた。俗世間からの冷笑をはねのけてきた潔い生き方。暗闇を照らすともしびに映る」
俗世間的成功―金と地位を獲得するために魂を売り渡す人生を歩む人間を偉いとして厚遇する国は、滅びます。いまからでも遅くありません。良心―内面の真実につく生き方をはじめようではありませんか。なんのために生きるのか?どう生きるのか?
武田康弘