思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

泥憲和さんってこんな人・安倍首相をノックダウンさせた元自衛官のblog

2014-07-12 | 書評

 泥憲和さんが7月1日に書いたblogは、facebookで、シェア2万数千件!!(前代未聞)
わたしがこの「思索の日記」で7月5日の夜に紹介したところアクセスが急増、現在までの「いいね」は、なんと7万5千件です。

 彼とは、インターネット上で友人となり対話しましたが、実にたいへんな勉強家。情報・知識に振り回される人とは正反対で、自分の頭で考える生きた哲学の実践者であることが分かり感動しました。

 1日の当該blogを読んだ人がら友達申請が殺到して1000人を超えてしまったとのことですが、コメント欄の的確な応答には、足が地についた知性と、相手を気遣うやさしさと、抜群のユーモアがあり、素晴らしい!!
 その後のblogも射抜くような鋭さで、感性が鈍く、直観力の弱い一般の学者や評論家とは大違いです。心身の鍛え方が違う!官知・公式知・表層知とは異なる「民知」の素晴らしさですが、親鸞を尊敬する浄土真宗(大谷派)門徒でもあり、なるほどです。

 彼の最近のblogを一つご紹介します。

 

泥 憲和

710· 編集済み

【戦争と想像力 バスラ攻防戦の話】

イランイラク戦争を覚えておられるだろうか。
最新兵器を装備したイラク軍が、イスラム革命で経済封鎖されていたイランに攻め入って起きた戦争だ。
それがあったことは知っていても、どんな戦争だったかを知る人は少ないだろう。
なかなか勝敗がつかない戦争を、日本のメディアは「イライラ戦争」と名付けた。
どちらかが勝ってどちらかが負ける、ゲームみたいなものだと思っていたのだろう。
そんな頃、高名な評論家がこの戦争を評して書いた。
 「だらだらと、退屈な戦争」と。
平和な国で机に向かって「だらだらと退屈な戦争」と書くのは簡単だ。...
だが戦う兵士は、そんな奴らの興味を満たすために戦っているわけではない。
イランイラク戦争とは、どんな戦争だったか、その一端を書いておきたい。

開戦当初は優勢なイラク軍だったが、イラン国民の死に物狂いの抵抗にあい、イラン領土から追い返された。
 復讐心に燃えたイラン軍は、逆にイラク国内に攻め込んだ。
 国境に近いバスラは、イランの大軍に包囲された。
バスラ攻防戦の始まりである。

補給が途絶え、飢え乾いたイラク兵は、自分の小便を飲んで耐えたという。
バスラの巨大なイラク軍陣地を攻略するイラン軍は、陣地周辺に無数に埋められた地雷原に苦慮した。
バググダッドから援軍が到着するまでに陣地を攻略したいイラン軍は、焦った。
そこで彼らは、革命防衛隊に少年少女を招集した。

武器を持たない子どもたちは、何千人もが隊列を組み、手をつなぎ、革命歌を歌いながら地雷原を歩いて渡り始めた。
たちまち地雷を踏みつけて、轟音とともに子供たちの体が吹き飛ぶ。
つぎつぎに地雷を踏んで肢体をバラバラに吹き飛ばされたが、生き残った子どもたちはひるむことなく歩き続けた。
どうにか地雷原を渡り切った彼らを待ち受けていたのは、イラク軍の容赦ない機銃掃射である。

死屍累々たる殺戮の後、啓開された地雷原をイラン軍の本体が突撃していった。
その大部隊に降り注いだのは、イラク軍の無数のロケット砲撃の雨だった。
あっという間もなく、数万人のイラン軍兵士が跡形もなく吹き飛ばされた。
この惨状に、イラク軍兵士でさえトラウマに襲われたという。

これが、国の存亡をかけた戦場というものだ。
この戦争を、「だらだらと退屈な戦争」と書いた評論家の名を今でも覚えている。
 立花隆といった。
だらだらだと?退屈だと?
知識のないことからくる想像力の欠如は恐ろしい。
それは思想の左右を問わない。
まして権力を握ったものの想像力欠如は、国の将来を左右するだけに、本当に恐ろしい。

はたして安倍さんは、どうなんだろう。
 戦場の実態を知って政治をしているのだろうか。
それは怪しいものだと、私には思えてならない。
安倍さんはいちど戦場に出かけて前線で砲撃の洗礼を浴びれば良い。
だが、勇ましいことを唱える政治家は、自分の身を危険にさらすことがないのだ。
 命をかけて苦労するのは、いつでも下っ端なのだ。
そして死んだものは二度と声を上げることができない。
ならば、生きている私たちがせめて彼らの代弁をするしかないではないか。

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あなたと川瀬 優子さん、Osamu Furubayashiさん、金丸 憲司さん、418が「いいね!」と言っています。

 

コメント (15)
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