思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

滋賀県知事選、政府推薦を倒す。遠く中江藤樹(近江聖人)の影。

2014-07-14 | 社会批評

 

 滋賀県の知事選は、自民党が全力をあげて取り組んだ選挙選でしたが、予想に反して無所属で元民主党衆議院議員の三日月大造さんが、自公推薦の元経産省官僚の小鑓(こやり)隆史さんを破り当選しました。三日月さんは、前知事の嘉田由紀子さんの後継指名をうけましたが、彼女もまた政党の推薦を受けず、不利な戦いを制して保守の現職を打ち破って当選した経緯を持ちます。「もったいない」を合い言葉に。

 その時にも感じたことですが、滋賀県には幕府に反旗を翻して故郷に戻り私塾を開いた中江藤樹の影響がいまだにの残るのではないか、ということです。後に「近江聖人」とまで呼ばれるようになる中江藤樹は、江戸時代初期に江戸にあった幕府の学校の教師を辞め、郷里に帰り「個性」尊重の「自由」な『私塾』を開き、生徒ひとり一人にあった授業を生徒の身になっておこなった人物ですが、彼のような個人が始めた「小規模な私塾」が全国に存在し交流をもっていたことが近代日本を拓いた最大の要因である、とするハワイ大学教育学者の研究もあります。

 ついでですが、旧友でわが町我孫子市の前市長(その後に消費者長官を務め今は我孫子の中央学院大学教授)福嶋浩彦さんの郷里である米子市(鳥取県)は、中江藤樹が幼いころ1年間だけ米子に住んだことを記念して立派な碑を造り、米子市のホームページで紹介しています。個々人から発する「市民自治」を進める福嶋さんとの因縁を感じます。

 ローカルであること、徹底して「私」の生きる地元につくことが、何者にも流されることのない普遍的な世界を拓きつくるのではないか。「主義」ではなく、足が地についた普遍性を。そんな感慨をもちました。


武田康弘

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