思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

2016年3月30日 アリーナ・イブラギモヴァ公演(所沢ミューズ)その到達点は、あまりの高みで、言葉を失う。

2016-03-30 | 芸術



無伴奏ヴァイオリン、

アリーナ・イブラギモヴァの到達点は、あまりの高みで、言葉を失う。
ヴァイオリンひとつで、オーケストラのもつ多彩で多面的な美の世界をつくりだす。しかもオーケストラより求心的。

艶やかでどこまでも美し音色、...
音楽のイデーに強く踏み込んだ解釈、
楽曲の姿を美しいヌードとして提示する大胆なまでの鮮やかな演奏には、唖然となる。
テクニックは完璧だが、それは当然の前提で言うも愚か。
濃やかでニュアンスに富み、千変万化する音世界に聴衆は固唾を飲んだ。わたしは惹きこまれて聴き入り、心身のすべてがヴァイオリンに浸った。
細部も全体もすべて完璧、ただ酔いしれるのみ。
時折見せるフッと抜く(脱力する)余裕は、絶妙の間をつくり、楽想が膨らみ、音楽を立体化する。

アリーナ・イブラギモヴァのつくる音世界は、演技も演出もなく、まるで自然物のよう。凄まじいまでの高み。

今日の所沢ミューズ・マーキーホールでの演奏を聴いた人は、一生の幸せ、聴けなかった人は涙を流してください。

真空管の音のような(!?)伸びやかで艶やか、見事な音響のマーキーホール。
新旧のコントラストが斬新で、互いのよさが分かる完璧なプログラム。
もう何も言うことはありません。あ~~~、幸福。

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ビーバー:『ロザリオのソナタ』より パッサカリア ト短調
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 二短調 BWV1004

~~~20分間の休憩~~~

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 二短調「バラード」
バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ



武田康弘

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