思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

よく躾けられ、勉強もスポーツもよくできる。それが日本人の価値。でも、人間はいない。

2016-07-20 | 教育
よく、上手に、「躾」られ、
両親の言うことを素直に聞き、
よく勉強して、いつも高得点を取り、
進学塾の長時間勉強にも不平を言わず、
けっこうスポーツも得意。
「エリート」人生のためにひた走る快感!!
 
世間からは「優秀ね!」と言われ、
マイナス評価などされたこともない。
 
これでまともな人間になれるなら、フィロソフィなど無用ですし、
文学には意味がありませんし、芸術は飾りものとしての価値ということになります。
 
心、内的世界、内面宇宙、精神などとは程遠く、外的価値だけで見事に埋まる人生です。人間の形をした「優秀」な自動人形ですが、やはり人間なので、欲望をもちます。
 
内的世界に乏しい人のもつ欲望とは、なんともおぞましく即物的な欲望でしかなく、ソクラテスのいう「善美をめがめる欲望」とは無縁です。
 
このように両親と進学塾の利害に合わせるおりこな子どもには、結局、人生そのものがありません。人生の失敗ですが、通常の方法では救えません。こういう人には強い宗教が必要なのでしょうが、大人は、そうならないように自身の価値観を見直したいものです。
 
こどもはいつでも犠牲者です。犠牲となった子は、悪循環を生み出し不幸を再生産します。上手に躾け、型にハメ、都合のよい子を育てます。人間はいない。


実存の苦渋も冒険もない受験勝者の東大生は、わいせつも組織化ー女性をモノ化


武田康弘
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