今日は「日本近代文学講義」の第一回目でした。今年のテーマは「文学者の戦争責任みたいなこと」である。いつもこの授業は、学生諸君にテーマを募り、私の関心とくっつけるのである。今年は、宗教とか同性愛とか性欲とか、言いたい放題の学生に鑑み、当然テーマは戦争責任。なぜ、そうなるかは……これから考える。というか、今日もう話した。
今日は「終戦の詔勅」とか高村光太郎の『典型』とかの分析。
……而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ
……――お父さん、ほんとんとこ、これで勝つかしら。
――勝つさ。
午前二時に私はかへる。
電信柱に自爆しながら。