★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

「群竜伝」の解放

2016-05-24 21:46:13 | 漫画など


喧嘩はちゃんと勝者が生じないのが世の常であるが、……そこで登場するのが、金で彼らを買い、一儲けしたい商人。九人揃った背中の龍は、ただの昇り龍の幻覚を起こしただけだったが、……とりあえずプロ野球選抜チームを四十五人連続ホームランでノックアウトする。九人は、かつてプロ野球チームを解雇された親の怨念を背負った子どもたちであった(ので?)、プロ野球チームをやっつけた後は、じぶんたちを雇った商人と縁を切って、「自由」になったのであった。おわり。

最後のあたりでよいシーンがあった。恥をかかされたプロ野球チームの主将?が、九人と一緒に、商人とオーナーの密談に殴り込みをかけるところ。この場面で、オーナーをぶん殴ったのは、主将(長嶋)のみ。いままで喧嘩ばかりしてきた九人はなにもせず。考えてみりゃ、彼らの暴力はひたすら内ゲバで、一般人にはご迷惑をおかけしていない。一方、一般人に手を挙げた長嶋……日本プロ野球終わったな……

革命は、最後は非暴力で、敵の自滅を俟つ……。そういえば、怨念が本人でなく子どもたちによって昇華されるのは当たり前ではあるが、重要なことであろう。でも、怨念がただでは消えなかったことを自覚する必要もあります。

「群竜伝」の権力闘争

2016-05-24 17:37:31 | 漫画など


やっぱり野球やってるだけじゃつまらんので、喧嘩マンガに戻った第三巻。やはり民主主義のゆったりした流れには堪えられなかった群竜たち。しかも、彼ら以外の一般ピーポーの怨念はほったらかしにして、ひたすら群竜エリートたちの権力闘争。彼らは怒ると背中に竜の一部が顕れ、かれらが全部揃うと何かが起こるらしいのだ……。という理屈とは関係なく、誰がリーダーか決めようと喧嘩が始まる。とにかく、全体のことはあとまわし、自分が偉ぶろうと頑張る。次は、歴史の必然として、……