「実はだな、かけたいのはグランビル大統領の生命保険なんだ」
「確かに、変わってますね」
「いやいや、モレンス所長。英国では国家元首にしばしば保険を掛ける。戴冠六十周年式典の例だよ。目下の大計画で大統領に万一のことがあれば、私は破産する。もしこの件が駄目なら、英国で保険を掛ける」
「もちろん引き受けますよ。だって正当な取引ですから。同類の保険料は六パーセントです。で、保険金額は」
「三百万フランだ」
「男爵、ご冗談でしょう」
――フレッド・M・ホワイト「悪の帝王」奥増夫訳
おれが、不正投票以前に、人間が不正なんだよ、とか言い始めたらみんな武器を取ってくれ(恋唄)
吉本隆明が「恋唄」を歌っても、なかなか武器を取る奴はいなかった――いや、いたわ。結構たくさん。
ハリスに限らず、日本の民主共産どこでもそうだとおもうが、その平等的なものを発散するキャラクターが、まがりなりにもボスを選ぶ民主主義と相反してきている、スターリン万歳とかいいはじめたらおれを何かではたいてくれ。
今回負けてしまったハリス氏はバイデンの後ろでニコニコしてたときの方がなぜかボス感があった、――とかいうとジェンダー構成的に問題あるんだろうが、かくいうわたくしも副委員長みたいなときがいちばん生気があるのだ。たぶん、副委員長というのは、雑用を飲み込むように処理するのに長けているタイプである。委員長は、飲み込むのではなく、啜って食べる。
俺以外の日本人のうどんや蕎麦の食い方を見ていると、やつらは旨いだしがあれば、なんでも啜り飲み込む蛇みたいな奴らであると思わざるを得ない。トランプが大統領になりそうなので、御飯を炊いた。