★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

師走で気になる

2023-12-15 23:36:30 | 文学
 さあ、父の与へた戒は身に染々と徹へて来る。『隠せ』――実にそれは生死の問題だ。あの仏弟子が墨染の衣に守り窶れる多くの戒も、是の一戒に比べては、寧そ何でもない。祖師を捨てた仏弟子は、堕落と言はれて済む。親を捨てた穢多の子は、堕落でなくて、零落である。『決してそれとは告白けるな』とは堅く父も言ひ聞かせた。これから世に出て身を立てようとするものが、誰が好んで告白けるやうな真似を為よう。

――「破戒」


むかしは全く気にならなかったことが最近は気になっていちいち生産性を下げている。上の「破戒」の第参章のおしまいのところで、「さあ、父の与へた戒めは身に染々と徹へて来る。『隠せ』――」とあるけれども、最初の「さあ」という部分が気になってさっきから考えている。

テレビに、盆栽の売り上げが昭和50年から60年あたりにかけて急激に落ち込んでいるグラフが映っていた。何がおこったんだろうとこれも気になった。



庭には、カエデの葉が落ちたあとに、ヘリコプターのように舞って墜ちて行く種が残っていた。この数年、多くの種を蒔きちらしており、家の反対側にも子供が生えてきていた。


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