1973年初版 1979年 第8刷 岡上鈴江/訳 山中冬児/装幀 野々口重/挿絵
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サーカスから逃げ出した少年ベンと姉妹の出会い
【内容抜粋メモ】
登場人物
モス夫人
姉妹バブとベティ
ベン・ブラウン サーカスから逃げ出した身寄りのない12歳の少年
ミス・セリア 屋敷の主
ソーントン ソーニー 弟 14歳
地主 モリス
下男 パット
サーカス団長スミザース
●ふしぎなイヌ
何年も閉め切ったままのライラックの屋敷でままごとをして遊ぶ姉妹バブとベティ
お母さんが作った美味しそうなお菓子を見知らぬ犬に取られて怒るが
おかしな芸当を見せてくれる
翌日、学校で話していると、その犬が現れ
ランチを少しずつ出し合ってあげると、持ち逃げする
姉妹の母モス夫人とともに馬車小屋に行くと、犬サンチョと少年ベンを見つける
サーカスで酷い目に遭って逃げ出して、力尽きてしまったと話す
●ベン少年
モス夫人は同情し、食事を与え、近所から着るものを集める
ベンの父は、サーカスの曲芸師として活躍していたが
団長スミザースさんとケンカしてNYに渡り
いつか迎えに来ると約束したまま帰らない
モス夫人は地主モリス氏に身の上を話すと、すぐ牛の世話をする仕事をもらい
父が迎えに来るまでモス夫人の家で預かることにする
下男パットは意地悪だが、馬が大好きなベンは馬の世話も上手いことが分かる
ベンは学校に通ったことがないため、バブから教科書を借りて熱心に読む
●ミス・セリア
屋敷の持ち主ミス・セリアが弟ソーニーを連れて帰ってくる
彼女の馬リタが気に入るベン
ミス・セリア:
私の弟は病気で、早く治るよう連れて来た
あなたも世話を手伝ってほしい
夕方にお茶に呼ばれて屋敷に行くと、車いすに乗ったソーニーを紹介される
地主さんが父について調べてくれて、西部で亡くなったという知らせが届き
ベンは大きな悲しみに暮れる
ベン:サーカスに戻るくらいなら、飢え死にしたほうがマシ
ミス・セリア:親がない者同士、仲良く力になりあいましょうね
●教会
ベンは教会に行くのも初めて
長いお説教に飽きてしまい、ミス・セリアが用意してくれた聖書の絵本を夢中で読む
ミス・セリアに言われて、ソーニーを森に連れて行くと
姉が小さい頃に書いた詩を見せてくれて、清らかな祈りに心を打たれる
●サーカス
夏休みになり、7月4日の独立祭の日、サーカスに行こうとサムやビリーが誘う
一緒に行きたいとせがむバブにサンチョを任せて、8マイル歩いて着くと
埃まみれでクタクタになったバブがついてきて、仕方なく連れて行く
動物の芸に大興奮していたが、雷雨になり
サムは知人のクルマに乗ってさっさと帰ってしまう
ビリーも知人に乗せてもらい、ベンとバブだけが残る
ベンが知人に頼みに行っている間に、バブはサンチョを見ているよう言われたが
子馬に夢中になっている間に、悪い男が盗んでいってしまう
ベン:もしサンチョがいなくなったら、ボクはけっして君を許さない!
父を亡くして、サンチョまで失ったベンは激しく怒り、バブは泣いて謝る
モス夫人:私はもう何も言いません ベンはもう十分罰を受けたのだから
●ソーニーの友情
ベンはすっかり元気がなくなり、同情したソーニーは自分の持っている珍しいクジャクや
ウサギなど、どれでもあげると言う
手風琴を弾きながら猿回しが来たので、家に呼び、芸当をさせてなぐさめ
家で休むよう言う
猿回し:
そんな犬をNYで見た気がする
サンチョという名前をつづることが出来る
でも、白ではなく、黒でしっぽは短い
芸が上手かったが、誰かに盗まれた
ミス・セリアは遠くから飼い主に会いに歩いてきた犬を話をして励ます
●ミス・セリアの災難
馬のリタだけが戻り、ベンが探すと、川で馬が転んだ跡があり
岩陰に怪我をしたリタが倒れているのを見つける
近くのペインばあさんに事情を話し、骨接ぎが上手い医者を呼び
診てもらうと、幸い大したケガではないと分かる
ソーニー:君が姉さんにしてくれたことは一生忘れないよ
●真の犯人
カギをかけた引き出しに入れた11ドルがなくなり
まさかと思うがベンを疑い、ソーニーに相談するミス・セリア
身軽なベンは2階の部屋や屋根に上がるのも平気なため
ソーニー:あの恩知らずが! ぼく、ベンを監視してやる
ミス・セリア:あなたとベンの友情がダメになったら悲しいわ
ベンが引き出しに何か隠したのを問い詰めると
地主さんからもらったネコをミス・セリアにあげようと隠していたと話す
自分が疑われていることに失望し
ベン:ぼくは断じて盗らなかった でも信じてくれないだろうから、前いた所に戻ります
もう一度念入りに引き出しを調べると
生まれたてのネズミが巣作りにお札を使っていたと分かる
2人が謝っている間にネコはネズミをたいらげてしまう/驚
●勇敢なベティ
ベンのお詫びに町でカフスボタンを買ってプレゼントするというソーニー
ミス・セリアは教科書一式をあげたいから、ついでに買って来てと頼む
ベティを馬車に乗せていき、歯医者で虫歯を治療中
ベティは近所で男の子がみじめな黒い犬をいじめているのを見る
ベティ:あの様子はサンチョそっくりだわ
狂犬病だと言っても、聞かずに犬を家に連れて帰ると
ベンに夢中で飛びつくサンチョ
ベン:ベティ 僕は一生君の恩は忘れない 今日からサンチョの半分は君のものだ
●バブの願い
子どもたちの間で弓遊びが流行り、ミス・セリアは裏庭を射的場に開放する
サムはベンを「サーカスボーイ」「こじき」と言って意地悪する
ガマンしているベンを励ますため、ミス・セリアは華やかなお誕生日パーティーを開いて
学校の友だちをみんな招待して、弓術大会も開くと話す
弓術大会では、ベンとバブの2人が最後まで残って戦う
バブ:あなたが勝つといいわ 心からそう思っているのよ
あまり狙いをつけずに矢を放ち、かなり中心に近い所に当たる
ベンの矢はすぐ近くで、おあいこにしようと言うが譲らないバブ
バブ:これでもうサンチョのこと許してくれる?
ベン:サンチョのことは、あいつが帰ってきた時に許してあげたんだよ
その後、馬車小屋でサーカスの芸を見せるベン
割れんばかりの拍手をもらうが、以前のように誇りを感じず
光る衣装を脱いで、みんなと同じ身なりになりたいと思う
●秘密の約束
サムはまたベンに意地悪くするが、ある日、寂しい沼地にハマってしまい
ベンに助けを求める
ベン:これからボクの悪口を言わないなら助けてもいい
サム:このことをみんなに喋らなければ悪口をやめるよ
この日からサムのいじめはピタっと止まる
ミス・セリアの婚約者で牧師のジョージが来て
姉弟は結婚式のために、また屋敷を留守にする
●たずねてきた人
見知らぬ男が訪ねてきて、ベンについて聞き
バブとベティはこれまでの事情を話していると
サンチョが飛びつき、ベンの父だと分かる
父は西部で馬に蹴られて何か月も入院し
サーカスに戻るとベンがいなかったため
スミザースから住所を聞いて、働きながら旅をして来たと話す
モス夫人は大きな貸し馬小屋でいつも働き手を求めていると教え、職を得る
ミス・セリアが戻る日、屋敷の煙突が燃え上がる
故障していたのを知らないバブが火をつけたため
ベンの父はすぐ屋根に上がり、水で消す
ミス・セリアが事情を知り、火傷した手を見て握手し、感謝する
結婚しても、この屋敷で暮らすから
また以前のようにバブとベティらに遊びに来てと誘う
富める人も貧しい人も、若い人も年寄りも
悲しい人もゆかいな人も区別なく
ライラックの木陰にいつでも温かく歓迎した
■解説
本書に流れるあたたかい人間愛は、ルイザの母方の祖父の教えの通り
自分が困っている時でも、もっと貧しい困った人が助けを求めてきたら助けなければならない
作者ルイザにも、いつもドアを開けて温かく迎えてくれる
セオドラ・パーカーという人の家庭があり
そこでいろいろな人と知り合い、話を聞いた
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サーカスから逃げ出した少年ベンと姉妹の出会い
【内容抜粋メモ】
登場人物
モス夫人
姉妹バブとベティ
ベン・ブラウン サーカスから逃げ出した身寄りのない12歳の少年
ミス・セリア 屋敷の主
ソーントン ソーニー 弟 14歳
地主 モリス
下男 パット
サーカス団長スミザース
●ふしぎなイヌ
何年も閉め切ったままのライラックの屋敷でままごとをして遊ぶ姉妹バブとベティ
お母さんが作った美味しそうなお菓子を見知らぬ犬に取られて怒るが
おかしな芸当を見せてくれる
翌日、学校で話していると、その犬が現れ
ランチを少しずつ出し合ってあげると、持ち逃げする
姉妹の母モス夫人とともに馬車小屋に行くと、犬サンチョと少年ベンを見つける
サーカスで酷い目に遭って逃げ出して、力尽きてしまったと話す
●ベン少年
モス夫人は同情し、食事を与え、近所から着るものを集める
ベンの父は、サーカスの曲芸師として活躍していたが
団長スミザースさんとケンカしてNYに渡り
いつか迎えに来ると約束したまま帰らない
モス夫人は地主モリス氏に身の上を話すと、すぐ牛の世話をする仕事をもらい
父が迎えに来るまでモス夫人の家で預かることにする
下男パットは意地悪だが、馬が大好きなベンは馬の世話も上手いことが分かる
ベンは学校に通ったことがないため、バブから教科書を借りて熱心に読む
●ミス・セリア
屋敷の持ち主ミス・セリアが弟ソーニーを連れて帰ってくる
彼女の馬リタが気に入るベン
ミス・セリア:
私の弟は病気で、早く治るよう連れて来た
あなたも世話を手伝ってほしい
夕方にお茶に呼ばれて屋敷に行くと、車いすに乗ったソーニーを紹介される
地主さんが父について調べてくれて、西部で亡くなったという知らせが届き
ベンは大きな悲しみに暮れる
ベン:サーカスに戻るくらいなら、飢え死にしたほうがマシ
ミス・セリア:親がない者同士、仲良く力になりあいましょうね
●教会
ベンは教会に行くのも初めて
長いお説教に飽きてしまい、ミス・セリアが用意してくれた聖書の絵本を夢中で読む
ミス・セリアに言われて、ソーニーを森に連れて行くと
姉が小さい頃に書いた詩を見せてくれて、清らかな祈りに心を打たれる
●サーカス
夏休みになり、7月4日の独立祭の日、サーカスに行こうとサムやビリーが誘う
一緒に行きたいとせがむバブにサンチョを任せて、8マイル歩いて着くと
埃まみれでクタクタになったバブがついてきて、仕方なく連れて行く
動物の芸に大興奮していたが、雷雨になり
サムは知人のクルマに乗ってさっさと帰ってしまう
ビリーも知人に乗せてもらい、ベンとバブだけが残る
ベンが知人に頼みに行っている間に、バブはサンチョを見ているよう言われたが
子馬に夢中になっている間に、悪い男が盗んでいってしまう
ベン:もしサンチョがいなくなったら、ボクはけっして君を許さない!
父を亡くして、サンチョまで失ったベンは激しく怒り、バブは泣いて謝る
モス夫人:私はもう何も言いません ベンはもう十分罰を受けたのだから
●ソーニーの友情
ベンはすっかり元気がなくなり、同情したソーニーは自分の持っている珍しいクジャクや
ウサギなど、どれでもあげると言う
手風琴を弾きながら猿回しが来たので、家に呼び、芸当をさせてなぐさめ
家で休むよう言う
猿回し:
そんな犬をNYで見た気がする
サンチョという名前をつづることが出来る
でも、白ではなく、黒でしっぽは短い
芸が上手かったが、誰かに盗まれた
ミス・セリアは遠くから飼い主に会いに歩いてきた犬を話をして励ます
●ミス・セリアの災難
馬のリタだけが戻り、ベンが探すと、川で馬が転んだ跡があり
岩陰に怪我をしたリタが倒れているのを見つける
近くのペインばあさんに事情を話し、骨接ぎが上手い医者を呼び
診てもらうと、幸い大したケガではないと分かる
ソーニー:君が姉さんにしてくれたことは一生忘れないよ
●真の犯人
カギをかけた引き出しに入れた11ドルがなくなり
まさかと思うがベンを疑い、ソーニーに相談するミス・セリア
身軽なベンは2階の部屋や屋根に上がるのも平気なため
ソーニー:あの恩知らずが! ぼく、ベンを監視してやる
ミス・セリア:あなたとベンの友情がダメになったら悲しいわ
ベンが引き出しに何か隠したのを問い詰めると
地主さんからもらったネコをミス・セリアにあげようと隠していたと話す
自分が疑われていることに失望し
ベン:ぼくは断じて盗らなかった でも信じてくれないだろうから、前いた所に戻ります
もう一度念入りに引き出しを調べると
生まれたてのネズミが巣作りにお札を使っていたと分かる
2人が謝っている間にネコはネズミをたいらげてしまう/驚
●勇敢なベティ
ベンのお詫びに町でカフスボタンを買ってプレゼントするというソーニー
ミス・セリアは教科書一式をあげたいから、ついでに買って来てと頼む
ベティを馬車に乗せていき、歯医者で虫歯を治療中
ベティは近所で男の子がみじめな黒い犬をいじめているのを見る
ベティ:あの様子はサンチョそっくりだわ
狂犬病だと言っても、聞かずに犬を家に連れて帰ると
ベンに夢中で飛びつくサンチョ
ベン:ベティ 僕は一生君の恩は忘れない 今日からサンチョの半分は君のものだ
●バブの願い
子どもたちの間で弓遊びが流行り、ミス・セリアは裏庭を射的場に開放する
サムはベンを「サーカスボーイ」「こじき」と言って意地悪する
ガマンしているベンを励ますため、ミス・セリアは華やかなお誕生日パーティーを開いて
学校の友だちをみんな招待して、弓術大会も開くと話す
弓術大会では、ベンとバブの2人が最後まで残って戦う
バブ:あなたが勝つといいわ 心からそう思っているのよ
あまり狙いをつけずに矢を放ち、かなり中心に近い所に当たる
ベンの矢はすぐ近くで、おあいこにしようと言うが譲らないバブ
バブ:これでもうサンチョのこと許してくれる?
ベン:サンチョのことは、あいつが帰ってきた時に許してあげたんだよ
その後、馬車小屋でサーカスの芸を見せるベン
割れんばかりの拍手をもらうが、以前のように誇りを感じず
光る衣装を脱いで、みんなと同じ身なりになりたいと思う
●秘密の約束
サムはまたベンに意地悪くするが、ある日、寂しい沼地にハマってしまい
ベンに助けを求める
ベン:これからボクの悪口を言わないなら助けてもいい
サム:このことをみんなに喋らなければ悪口をやめるよ
この日からサムのいじめはピタっと止まる
ミス・セリアの婚約者で牧師のジョージが来て
姉弟は結婚式のために、また屋敷を留守にする
●たずねてきた人
見知らぬ男が訪ねてきて、ベンについて聞き
バブとベティはこれまでの事情を話していると
サンチョが飛びつき、ベンの父だと分かる
父は西部で馬に蹴られて何か月も入院し
サーカスに戻るとベンがいなかったため
スミザースから住所を聞いて、働きながら旅をして来たと話す
モス夫人は大きな貸し馬小屋でいつも働き手を求めていると教え、職を得る
ミス・セリアが戻る日、屋敷の煙突が燃え上がる
故障していたのを知らないバブが火をつけたため
ベンの父はすぐ屋根に上がり、水で消す
ミス・セリアが事情を知り、火傷した手を見て握手し、感謝する
結婚しても、この屋敷で暮らすから
また以前のようにバブとベティらに遊びに来てと誘う
富める人も貧しい人も、若い人も年寄りも
悲しい人もゆかいな人も区別なく
ライラックの木陰にいつでも温かく歓迎した
■解説
本書に流れるあたたかい人間愛は、ルイザの母方の祖父の教えの通り
自分が困っている時でも、もっと貧しい困った人が助けを求めてきたら助けなければならない
作者ルイザにも、いつもドアを開けて温かく迎えてくれる
セオドラ・パーカーという人の家庭があり
そこでいろいろな人と知り合い、話を聞いた