簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 松本の大師堂

2010-10-08 | Weblog
途中、物部川に架かる戸板島橋を目指す道で、逆打ちの遍路に出会う。
野宿覚悟の歩きらしい。短い会話を交わす。
この猛暑の夏の間も、ずーっと歩き続けていたと言う。



昔から稲の二期作が行われている豊かな田園の中の道を歩くが、この道中は日影が
無いから暑くてたまらない。
橋を渡り、2キロ半程歩くとやがて前方に小さな丘の木立が見えてくる。
松本の大師堂・へんろ小屋だ。
前を通りかかると、お堂を掃除していた男性に「休んでいけ」と勧められる。
丁度お昼も近いので、言われるまま腰をかけ、駅で求めた弁当を食べることにした。



立派な建物で、まだ木の香も新しい堂々としたものである。
聞けば、何百人もの寄進によって建てられたお堂らしい。
その道路を隔てた反対側には土地の有力者の墓が有り、その脇に墓主の名前が付けら
れている一本の堂々とした桜がある。
他にも木が茂っているから、この辺りだけがひんやりと冷たい風が吹き抜け気持ち良い。

堂守の男性がこの先の札所の見どころを親切に教えてくれる。
「32番に行ったら、本堂前のお不動さんは必ず拝んで、その背後を良く見て」とか、
「37番は本堂内陣の天井画を見て」「マリリンモンローが有るから・・・」「竹林寺
では・・・」などと、有りがたいがとても覚えられない。

弁当を食べる間中仕事の手を休め、札所の説明をしながら付きあってくれる。
すっかり汗も引いたのでお礼を行って腰を上げる。

1キロ半程でJR土讃線の踏切を越える。
その線路の左手先に今朝乗り換えた後免の駅が有る。
ようやくここまで戻ってきた。(続)



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