簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 おばあちゃんと梨

2010-10-25 | Weblog
苔むした石畳の急坂を下り、6キロ先の32番・禅師峰寺を目指す。
日影が何も無い、暑い、暑い下田川の堤防道が1キロ半程続く。
堤防を降り、工事が進む高知南国道路の脇を歩いて、県道247号に出る。



道路わきの「武市半平太 旧宅と墓」の立て看板とその前の「梨直売」の幟旗が目に
留まり立ち寄って見る。
丁度小腹も空いていたので一番安い2個入り300円を購入、ここで食べていくことにする。
小銭が無く、困り、周りを見渡してみるとそのすぐ後ろに小さな小屋があり、中で
おばあちゃんが梨の袋詰めをしている。
両替をお願いし、ついでに包丁を貸してもらう。



「私はあの家に住んでいる」。「縁者ではないが・・・」
このおばあちゃんは、どうやら目の前の武市半平太の旧宅に住み、その管理をしている
らしい。
「テレビの影響で観光の人がたくさん立ち寄ってくれる」

食べながら休んでいると、そんな話を聞かせてくれた。
水分の多い新高梨は甘くておいしい。ひとつ食べたらお腹が一杯に成った。
出がけに「重いけど、これ持っていけ」と、さっき買った梨よりも二周りも三周りも
大きい立派な新高梨を一つずつ持たせてくれた。

「これ、一つ500円はするだろう」などと話をしながら石土トンネルを抜ける。
目の前に石土池が広がると後1キロ半程の道程だ。

集落の中でまごまごしていると、「その道真っ直ぐ、そっちが近い」と近所のおじさん
が教えてくれる。
歩くにつれ、前方に小高い山が近づいてくる。
このころから、何となく嫌な予感がしていた。(続)



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