簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

街道の並木 (東海道歩き旅・遠江の国)

2020-10-14 | Weblog
 街道の並木は、古くは天平年間に、諸国の駅路に果樹を植えたのが
始まりとされている。
以来織田信長による「路辺の左右に松と柳植え置く」と言う指示を引
き継いだ江戸幕府は、街道の左右に松を植えさせ、一里塚を設け、維
持管理すべしとのお触れを度々発令した。
幕府は主要道の整備に威信をかけ、並々ならぬ熱意を注いでいたのだ。





 「掛川宿より袋井宿迄之間 往還通並木」と古文書に伝わるとおり、
街道は並木が続き旅人はこれを辿れば自ずと次の宿場に向かうことが
出来たようだ。
是は当地に限った事では無く、どの宿間でもそれは同じで、言わば松
並木は今で言うナビゲーターのようなものでもあった。
その間の距離を把握する目安が一里塚である。





 旅人を夏の強い日差しから、また冬の冷たい北風から守るのも並木
である。何らかの理由で街道筋を離れても、並木を見付ければ容易に
街道に戻ることが出来る。木を植えれば、道を根張りで固める事も出
来たので、頻りに推奨したようだ。

 そんな松並木も明治維新以降、近代化の名の下、道路の拡張などで
切り払われた。また松食い虫などの病害虫被害で多くは消滅し、或は
大風水害などで倒木した。様々な理由で減ってしまったが、一部の街
道筋には少なからず今日に残されていたりもする。





 掛川宿を出て、間の宿・原川から立場・名栗を経て次の宿場袋井に
至る街道筋の所々には、今も見事な松並木が残されていた。
しかも車道は松並木で仕切られ、その外側に歩道が設けられているの
で、安心して歩く事が出来るし、何よりも当時を彷彿させる街道は歩
いていても楽しい。(続)




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