簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

古寺・古刹(東海道歩き旅・相模の国)

2018-06-15 | Weblog



 旧東海道、現在の県道732号線は、左程道幅は広くはなく、曲がりくねって結構な
勾配で登っているが、両側に全て歩道が整備されているわけではない。
こんな道を旧街道を行く路線バスや送迎バス、乗用車などが絶え間なく上り下りし、
その隙間を縫うように観光客や地元の人々が歩いている。
すぐ脇を車が通り過ぎていくので、危なくって仕様がない。



 三枚橋からは10分ほど登ると、北条早雲の遺命によりその子氏綱によって建立され
た北条五代の菩提寺・早雲寺の山門が右手木立の中に見えてくる。
山門を入ると、広大な伽藍には鬱蒼と木立が茂り、右手に茅葺入母屋風屋根の鐘楼が、
正面に本堂を構えていて、その奥墓苑の中に五代の墓が有る。



 天正年間に豊臣秀吉による小田原攻めで、焼き尽くされた関東屈指の禅刹が復興さ
れるのは江戸時代に入った寛永年間のことで、現在の建物の多くはその頃のものだ。





 そこからさらに数百メートル上ると左手に臨済宗のお寺、正眼寺が有る。
鎌倉前期にはすでに存在していたと言う地蔵信仰の古刹で、仇討ちで知られる曽我
兄弟ゆかりの寺だ。
境内にはその供養塔が有り、松尾芭蕉の「山路来てなにやらゆかし菫草」の句碑が
建てられている。



 ガイドブックによるとここら辺りが旧湯本茶屋村である。
旅館などの従業員向けなのか、地図を見ると周囲には随分とアパートが多い。
この村境辺りに男女双体の道祖神が有ったようだが、反対側の22番目の一里塚に
気を取られているうちに見落としてしまった。(続)

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