それぞれ東大などへの進学実績があり、「御三家」と呼ばれてきた首都圏の中高一貫校、開成・麻布・武蔵。だが近年は進学実績に差があり、名門校の勢力図が変わりつつある。
ある進学塾関係者が、こう漏らす。
「『御三家』は進学実績からいえば、もはや死語。学校名にとらわれない進路選択をする時代になりました」
男子の「御三家」に異変が起きたのは、1993年だ。この年、首都圏私立高校の東大合格者数(浪人含む)トップは開成(171人)、次が麻布(96人)。ここまでは例年どおりだったが、武蔵(47人)が順位を落とし、駒場東邦(54人)が躍進したのだ。
前年、武蔵の東大合格者数は85人。多くの浪人生が合格したために93年は減少に転じたとも考えられるが、70人以上が当たり前だった合格者数は、93年以降、減少を続け、2014年は22人。開成、麻布が一定数を保ち、駒場東邦が伸びているのとは対照的だ。
93年はちょうど第2次ベビーブームに生まれた世代の高校受験が一段落したころ。18歳人口は92年の205万人を境に減少に転じた。教育情報会社「大学通信」(東京都千代田区)の安田賢治常務取締役は、
「御三家はいずれも放任主義で、生徒が自ら学ぶ姿勢を養う教育方針。中でも武蔵は、詰め込み式ではなく、教養を高めるような学習スタイルだった。けれど、少子化の流れもあり、大学まで手厚く面倒を見てほしいと思う親が増えました」
そんな意識の変化が「面倒見の良さ」で定評の駒場東邦の躍進につながったという。創立は57(昭和32)年。鈴木良児教頭は、
「本校には御三家ほどの歴史と伝統がありません。入学してくるのは、普通の子どもたち。そんな生徒を出口まできちんと育てよう、それだけです」
麻布や武蔵と違い、制服があり、体育祭など課外活動では、生徒の自主性に任せつつも、教諭が指導に入る場面が多い。女性の専任教諭が10人以上いるなど、
男子校ではあるが「普通」さが各所ににじむ。保護者が気軽に学校を訪ね、教諭らと子どもの様子について相談をするのも特徴だ。』※週刊朝日 2014年6月13日号より抜粋
東京大学への進学実績があり、「御三家」と呼ばれてきた首都圏の中高一貫校、開成・麻布・武蔵名門校の勢力図が変わりつつ有ると言っても少子化による18歳人口の減少期合格実績を保つのは、大変と思います。開成や麻布は旧制中学校の伝統と歴史が有り、1922年創立の武蔵高校は旧制七年制の旧制高校の歴史と伝統が有ります。伊達に学校としての長年の教育成果を出している訳では有りません。生徒の質も均一ではないと思います。東大合格者数(浪人含む)で、武蔵高校が今年(47人)が順位を落とし、駒場東邦(54人)が躍進したのと言っても来年は分かりません。今のような経済状況では浪人生が増えない現実も見据えるべきです。
少子化による18歳人口の減少期で、受験生の数、パイが限られている中変動が出るのは仕方が有りません。東京都の学校群制度導入以来東京都立高校「御三家」日比谷、戸山、西高校は。私立の御三家の中高一貫校を未だにに追い抜くことは出来ません。少子化による18歳人口の減少期に学力の有る生徒を今後どう集めるのか、生き残りを賭けた競争時代に入ったと思います。週刊朝日の記事は、数値だけの判断で、現役合格者数の推移も見据えるべきで『もはや“御三家”は死語?』は極論過ぎると思います。
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