◆「石原慎太郎は湘南高校時代からトロツキストですね。昭和10年の第7回コミンテルン大会以来、共産主義者は潜伏活動をするようになったが、石原慎太郎もこの系譜でしょう。東京裁判の傍聴を2度してますね。終戦直後は『天皇を処刑して日本で革命を起こして共産化する』側に加担していたと思われます。いまでも彼は、天皇処刑に賛成なんじゃないですか?」というコメントがこのサイトの読者から寄せられた。このサイトでは、
「石原慎太郎代表は、天皇陛下を侮る発言をしているが、自主憲法制定でも天皇陛下の存在を否定するのか?」(6月6日午前4時20分51秒配信)というタイトルの記事を掲載した。
日本維新の会を分党した石原慎太郎代表が、「石原慎太郎派」に23人(衆院議員20人、参院議員3人)で、「自主・新保守・次世代」の3要素にした新党を結党する準備を始めている折、「新保守」とは、「天皇処刑に賛成」を意味しているのか、否かは、直接聞いて確かめてみないと分からない。けれども国民有権者の多くが、違和感を抱いているものと思われる。保守勢力が、天皇陛下を侮ることは考えられないからである。石原新党が、もしかしたら「新保守」の仮面を被った「マルキスト集団」と受け取られかねないのだ。
◆石原慎太郎代表が、湘南高校時代に共産主義に感化されていたのは、確かである。「石原慎太郎の日本を救う決断」(板垣英憲著、青春出版刊、2003年10月10日)の「第4章 カリスマ的リーダーシップを支える哲学」―「マルクス主義に傾倒した高校時代」で以下のように書いているので、参考までに紹介しておこう。
慎太郎も高校生のころに一時、唯物史観に感化されている。要するにマルクス主義にかぶれていたのである。
湘南高校の一年下級の江藤淳の紹介で江口朴郎・第一高等学校教授を訪問し、マルクスの唯物史観の話を聞き、大きな刺激と感化を受け、学校内で民学同を組織する。
江口朴郎教授は、明治四十四(一九一一)年佐賀県に生まれ、東京帝国大学文学部西洋史学科を卒業して・外務省嘱託となり、後に、姫路高等学校教授、東京大学教養学部助教授、法政大学教授・津田塾大学学芸学部教授などを歴任している。この間に、歴史学研究会代表、原水禁代表委員(社会党・総評系)、日本ラオス友好協会会長を務めた。著書に『帝国主義と民族』『帝国主義の時代』などがある。
後輩の江藤淳は・本名を江頭淳夫いう。昭和八(一九三三)年に東京で生まれた。祖父は海軍中将・父は銀行家だった。高校時代からマルクス主義に傾倒、江口朴郎教授に私淑した。
慶応大学文学部英文科在学中、「三田文学」に「夏目漱石」を連載し、評論で出発した。昭和三十三(一九五八)年、石原慎太郎や大江健三郎らと「若い日本の会」を結成し、「六〇年安保」の際には、「反安保」の立場で行動した。
だが・進歩派に幻滅・右旋回し、「『戦後』知識人の破産」を発表し、「小林秀雄」(新潮文学賞)で評論家の地位を確立した。戦後史を民主化の歴史でなく、「喪失と崩壊の歴史」ととらえ、明治憲法下の世界観の崩壊が戦後史であり、民主化を異質にものとした近代日本の再認識を求めて論陣を張っている。この過程で、新憲法はポツダム宣言やハーグ陸戦規則に違反するとして見直しを提唱したり、自民党の「押しつけ憲法論」を擁護したりした。
石原慎太郎も、江藤淳と同様に「右旋回」して作家活動を活発に進め、いわゆる「右派文化人」の系譜に連なることになった。
右派文化人の系譜のなかで、文学活動をした先人の一人に、宮沢賢治がいたことを忘れるべきではない。宮沢賢治は、明治二十九(一八九六)年、岩手県に生まれ、中学時代から「法華経」に傾倒、田中智学の右翼団体「国柱会」に参加した。国柱会は、日蓮の「我国の柱とならむ」という言葉を会の名前にした団体で、日蓮の「立正安国論」を高唱していた。宮沢賢治はこの思想の影響を強く受けて、大乗仏教典の大衆化を目指した童話作家活動を行っている。
林房雄は左翼から右派に転向した作家だった。明治三十六(一九〇三)年大分市で生まれ、東京帝国大学法学部政治学科を中退して新人会に入り、プロレタリア文学運動に参加した。学連事件に連座して検挙されたのをはじめ、数回下獄している。後にプロレタリア作家を廃業して転向、「中央公論」に「大東亜戦争肯定論」を連載するなど、日本主義的傾向の作品を発表した。
清水幾太郎は、明治四十(一九〇七)年、東京で生まれ、東京帝国大学文学部社会学科を卒業した。東大時代から岩波の雑誌「思想」の編集に参加、朝日新聞社社外嘱託、読売新聞論説委員、学習院大学教授などを歴任している。サンフランシスコ講糺条約締結時、「全面講和」の立場で活躍、反基地闘争の先頭に立つが、「六〇年安保」で敗北後、マルキシズムを批判して「右旋回」し論壇を驚かせた。また「戦後を疑う」などの時評で戦後民主主義を批判し続け、天皇制維持、教育勅語賛成、君が代、日の丸肯定、新国家主義者となる。著書に『愛国心』などがある。
三島由紀夫は大正十四(一九二五)年、東京で生まれた。本名を平岡公威という。東京帝国大学法学部を卒業して大蔵省に入省、すぐ退職して作家活動に入る。
六〇年安保以後、作品にイデオロギー色が強くなる。天皇制護持を主張し、「文化防論」を唱えた。天皇制否定勢力を激しく批判し、私兵「楯の会」を結成して、「自衛隊クーデター」を待望し東京・市ヶ谷台の陸上自衛隊東部方面総監部に押し入り、割腹自殺した。三島由紀夫は、親しくしていた石原慎太郎が、体制を批判していたにもかかわらず、突然のように自民党から公認されて参議院議員選挙に全国区から立侯補して当選したのに驚き、刺激されて、過激な行動に走ったのではないかと憶測された。石原慎太郎は、斬首されて床にころがっている三島由紀夫の遺体をみるに忍びなく、部屋に入れなかったという。
黛敏郎は、昭和四(一九二九)年、神奈川県で生まれ、東京音楽学校研究科を卒業し、パリ国立音楽院を中退した。團伊玖磨、芥川也寸志とともに「三人の会」を結成し、二十世紀音楽研究所を創設した。「日本を守る国民会議」(右翼文化人ら約八百人が参加)を結成し、運営委員長となる。「建国記念の日奉祝式典」の運営委員長も務めた。
村松剛は、昭和四(一九二九)年、東京で生まれ、東京大学文学部仏文科を卒業。東大大学院在学中、吉行淳之介らの「世代」に小林秀雄論、三島由紀夫論などを発表し、新進の批評家として認められる。立教大学教授、京都産業大学教授、筑波大学教授を歴任した。著書に『醒めた炎―木戸孝允』(菊池寛賞)『三島由紀夫の世界』などがある。
これらの右派文化人のなかで、石原慎太郎は、体制内革新、反社会主義、・国家道義の高揚、国防と治安確保、憲法の二部の改修補損を提唱してきた。著書『法華経を生きる』において、日蓮主義の系譜上にあることを鮮明にしている。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
「張り子の虎」公明党・創価学会は、衰退が止まらず、「次期総選挙、参院選挙は大惨敗」と憂慮されている ◆〔特別情報①〕
公明党・創価学会の内部事情に詳しい筋によると、「いま公明党・創価学会が危機状態にある」という。「張り子の虎」(虎の形をした首の動く張り子のおもちゃ。首を振る癖のある、また、虚勢を張る見かけだおしの集団)と化しているからというのが、最大の理由だ。「次期総選挙、参院選挙では、大惨敗の危険さえある」とも憂慮されている。
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