新型コロナウイルスの感染拡大の中で迎える年末年始を前に、川崎市の福田紀彦市長が二十五日、川崎区の市立川崎病院を訪れ、現状の医療体制や課題を聞いた。コロナ患者の受け入れ病棟で働く医師や看護師らからは「常に戦場にいる感覚」「第三波で先が見えない不安がある」と声が寄せられた。 (安藤恭子)

 視察の一部は記者らに公開で行われ、福田市長は受け入れ病棟のほか、発熱者外来用コンテナや、コロナ患者専用の動線を見て回った。病院側から薄くて丈夫な医療用手袋の品薄状況や、コロナ受け入れ病棟の清掃を業者の代わりに看護助手がまかなうなど、職員の負担が増している現状も報告された。

 福田市長は「全力で働く皆さんの姿を市民に伝え、うつさない、かからない行動変容を呼び掛けたい」と述べて感謝した。

 取材に応じた田中君枝看護師長は「コロナ対応部署から感染者も退職者もなく、奮闘してきた。ただ重症者、高齢者、認知症をお持ちの方も増えて不安もある」と話した。

 同病院は、コロナ患者の病床を全県で確保する「神奈川モデル」において主に重症・中等症者を受け入れる高度医療機関。重症・中等症者用病床として三十二床を運用している。