本末転倒国会<本澤二郎の「日本の風景」(4716)
<43兆円の戦争準備は非戦の憲法第九条に真っ向から違反!>んより、転載させて頂きました。
43兆円の戦争準備予算案の国会が、スイスイと鯉が広い池を泳いでいるかのように始まっている。野党は、敵基地攻撃がどうのこうのと枝葉に集中して、本丸を全く追及しない。ラジオをひねったら伊勢神宮や出雲大社など神道に賭けてきた立民の枝野が、この調子で持論を叫んでいた。
本末転倒国会をまたしても演じている。高額報酬を懐に入れた与野党議員の国会質疑を聞いていた市民運動家は、昨夜溜息をもらしていた。
「世界に冠たる日本国憲法」(鈴木善幸首相)の真髄は、非戦の第九条にある。「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明確に規定し、そのために「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と内外に宣言。
それでいながら安倍晋三の後継者となった岸田文雄は、まるで東条英機か文鮮明、はたまた岸信介の生まれ変わりのように、誰もが想定しなかった43兆円の戦争準備予算案を強行しようとしている。世も末か、日本沈没のあだ花か。
<非戦論は明治期の東洋と西洋の思想から編み出した松本英子の叫び=ワシントンの押し付けでは全くない>
この非戦論を唱えた最初の人物は、明治期に女性ジャーナリスト第一号となった松本英子である。東洋と西洋の平和主義を体得したことが、彼女の非戦論を生み出した根源だろう。
第一次世界大戦の渦中、彼女はひるむことなく堂々と、アメリカで声高らかに発信した。これがどんなにすばらしい平和主義か、今を生きる日本人は分からない。反骨のジャーナリストは、たとえ 凡人であっても分かる。日本人の護憲リベラルの思想は、ここから発している。
A級戦犯の一党は「アメリカに押し付けられたものだ」との捏造論で、歴史を知らない無知な学者や右翼化した人たち、いわゆる死の商人まがいの面々に宣伝してきた。特に国際社会で戦争神社と呼ばれてきている国家神道の後裔カルト教団「神社本庁」と、そこから派生した天皇教の極右「日本会議」が神道の信者・氏子らに教え込んでいることが分かってきた。
この天皇狂をささえる神道こそが、人間差別・男女差別の元凶である。統一教会もこれに従って目下のLGPT運動に抵抗し、それに服従する岸田内閣である。
幼くして漢学者の父・松本貞樹から四書五経を学んだ松本英子は、本末をわきまえていた。漢学は人間学である。人の道を合理的に体系的にした科学的な思想体系で、他の思想を優に超えた思想学問であることがわかる。
<巡航ミサイル500発で印度太平洋の覇権大国は幼稚で幻>
不気味な日本会議やワシントンの死の商人にそそのかされて突如浮上した43兆円の戦争準備予算案は、やくざ代議士の倅が担当している点も、岸田の悪魔性を露呈している。
岸田は安倍の改造政治屋にすぎない。ことの重大さをまるで理解していないことは、倅を首席秘書官に起用し、首相外遊に同行させ、買い物や記念写真撮影で遊んでいたことが発覚したことも、それを裏付けている。
巡航ミサイル・トマホーク500発は、貧困国の最後っ屁なのであろう。ボタンを押せば、沖縄や佐世保・横須賀が死の灰に覆われる。54基の原発炎上ともなれば、日本沈没が100%の確率で具体化する。
この国の為政者と国民の代表は、完全に狂人になってしまった!
<核の脅威を知るワシントンは北京との戦争を確実に拒否する>
安倍側近の危険人物の一人となって、国民の警戒対象となった萩生田光一や高市早苗ら極右の面々、無論清和会関係者は台湾有事に期待するような誘いかけをしてきている。
日米共闘して中国を退治するという、桃太郎の鬼退治の世界を夢見ているのであろうか。
アメリカは決して中国と戦端を開くことはしない。目下のロシアとの戦争でさえも間接的な対応である。自ら火の粉をかぶるようなへまはしない。いわんや中国との核戦争に手を上げることは、万万が一、想定できない。
<日中戦争を繰り返す世界第三位の軍事大国=1位と三位の共闘は幻>
過去に自衛隊の元高官が「日本は中国と闘うことは出来ない。アメリカとの同盟を大事にするしかない」と言っていたことを思い出す。これは米中戦争ともなれば、アメリカに加担してもいいとの考えのようだ。
台湾有事は台湾独立派がNATOを惹きつけるための工作の一つだ。北京の武力制圧はない。中国の人民が反対するし、人民解放軍も動かない。日米が共闘して14億人の中国と戦争する?ありえない!
岸田の先輩の宮澤喜一は「核の時代が憲法第九条を光り輝かせている」と優れた見識を披露している。大平正芳と田中角栄が命がけで実現した日中和解を、A級戦犯の亡霊どもに破壊されていいわけがない。
明治の松本英子の非戦論は、いま国民の間に燎原の火のように広まっている様子が瞼に映っている。清和会・統一教会と決別する2023年にしなければならない。
2023年2月16日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
<iframe width="300px" height="250px" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" allowfullscreen="true"></iframe>
<button id="article-clap-button">拍手する
</button>
0
コメントを書く