「兵庫県、はずかしい」知事のX投稿発掘→「ブーメラン」の指摘 告発された「パワハラ」体質、その素性を振り返る
パワハラを告発された兵庫県の斎藤元彦知事(46)は、職員労組から辞職を迫られ、最側近の片山安孝副知事も辞任表明した結果、県庁内で孤立する事態になっている。
一方、斎藤氏は、告発を「うそ八百」と発言するなど、辞職を拒否する姿勢を崩していない。県政を混乱状態にした斎藤氏とは、一体どんな人物なのだろうか。
批判はスルー、激励のコメントだけにリプライ
「パワハラ断固反対」「相変わらず遠足&お土産ですか」
斎藤氏は2024年7月6日、城崎温泉駅で観光キャンペーンの行事に出席して、その写真を自らのインスタグラムに投稿した。「ひょうご観光をさらに盛り上げるべく、頑張ります」と意欲を語ったが、コメント欄には、こんな批判が相次いでいる。
しかし、それらはスルーし、激励のコメントだけにリプライしていた。「暑い毎日ですがお体にお気をつけて頑張ってくださいね」との声には、「ありがとうございます。がんばります」と返す、といった具合だ。
斎藤氏のパワハラ問題は、西播磨県民局長(60)が3月、マスコミなどに告発することで発覚した。その文書では、7項目が挙げられ、公用車を降りて20メートル歩かされただけで出迎えた職員らを怒鳴り散らした、といった行為が指摘された。また、地元企業からの贈答品をどんどん自分のものにしてしまうなどの「おねだり体質」は職員の間で有名だったとされる。
これに対し、斎藤氏は、「うそ八百」と告発を否定し、県は5月、「核心的な部分が事実ではない」などとして、県民局長を停職3か月の懲戒処分にした。しかし、その客観性に疑問が出て、県議会は6月、ウソや証言拒否に罰則がある百条委員会を設置して調査に乗り出した。その最中の7月7日に証人予定の県民局長が自殺したと報じられ、波紋が広がっている。
斎藤氏は、東大経済学部卒後、総務省に入り、大阪府の財政課長を経て、21年7月に知事選に立候補・初当選した。
それからは、どんな知事として仕事をしていたのだろうか。
「兵庫県これは異常ですよ」「一刻も早く辞職をするべきだ」
関西テレビの22年2月11日のウェブ版記事によると、斎藤氏は、知事選で繰り返し訴えた公用車問題については、最高級車「センチュリー」に一度も乗らず、職員移動用のワンボックス車を使う徹底ぶりだった。
また、選挙で「現場にどんどん出る」と訴えた通り、よく視察に出かけ、保健所の多忙ぶりを見て、ペーパーレス化を一早く推進した。
その一方で、1日1回更新していたXでは、批判的な意見を寄せる県民らに対し、次々にブロックした。精神的にしんどいのでそうしている、と斎藤氏は説明していたという。
このことについて、関テレの記者は、「斎藤知事の聞く力には疑問符がつく」と書いていた。インスタで、自らへの批判はスルーし、激励に対しては丁重にお礼を述べる、といった行為と一脈通じているとも言えそうだ。
今回のパワハラ問題で、頑なに辞職を拒む斎藤氏に対しては、ネット上で、不満がくすぶっている。
「兵庫県これは異常ですよ」「一刻も早く辞職をするべきだ」「兵庫県民がリコール請求をしたらいい」
ただ、副知事が5回も辞職を求めたのに対し、斎藤氏は、すべて断ったという。県庁にも、辞職要求を中心に700件以上の意見が来ているというが、斎藤氏は7月12日の会見でも、「県職員らと信頼関係を再構築し、県政を立て直していく」と続投を表明した。
こんな異常事態になって、斎藤氏が告示前にXで投稿し、物議を醸した発言がブーメランになっているとの指摘が出ている。
それは、県政の現状を憂い、「『兵庫県、はずかしい』。こどもたちからそんな声が出ています」との発言だ。これに対し、それは斎藤氏のせいだとして、「当選してしまったけどブーメランとして戻って来た」と指摘する声が出た。
なお、斎藤氏は、投稿後に削除して謝罪し、「兵庫をより良くしたいという気持ちは変わらず、皆様の声と共に歩んでまいりたいと思います」と釈明してはいた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)