FRIDAY DIGITAL
FRIDAYデジタル
https://friday.kodansha.co.jp › arti...鎌ケ谷市は基準値の240倍、摂津市は420倍…飲んだら危険!「全国『水質』汚染マップ」の衝撃数値
6月に内閣府食品安全委員会が「出生児に低体重などの影響が認められる」と警鐘
9時間前NEW
社会・事件
「自衛隊や米軍施設から」
毒性が明らかになり、政府は’21年までにPFOAとPFOSの製造と輸入を禁止。両物質を合わせ、1L当たり50ngを暫定(ざんてい)目標値とした。今年6月に内閣府食品安全委員会がまとめたPFASの評価書でも、「出生児に低体重などの影響が認められる」と健康への警鐘を鳴らしている。だが、前述の通り河川や地下水の深刻な汚染が次々に確認されているのだ。小泉氏が続ける。
「原因は、大きく二つ考えられます。自衛隊や米軍施設から、PFASを含む泡消火剤が漏れ出て汚染が発生。もう一つは、工場などの産業利用による排出および産廃処分場からの漏出です」
千葉県柏市などによる3月の調査で、海上自衛隊下総航空基地(柏市)周辺の複数箇所で1L当たり1000ngを測定。県によると、同基地は過去に5140Lの泡消火剤を保有していたという。柏市などは住民に井戸水を飲まないよう要請し、同基地には調査協力を申し入れている。
普天間や嘉手納など軍事飛行場周辺の井戸などから高い汚染が確認されている沖縄県も、米軍施設が原因の可能性が高いとみている。県の担当者が話す。
「基地内には消火訓練を行う施設があります。訓練時に放出されたPFASが地中に残っているのではないかと考えています。米軍に立ち入り検査への協力を求めても反応がありません」(環境保全課)
代表的な大阪府摂津市のケースでは、ダイキン工業の淀川製作所がクローズアップされた。同社は’12年までPFOAを製造。水路や地下水から暫定値を上回る値が検出されていることに関し「当社が原因の一つ」(同社)と判断し、工場敷地内にある地下水の外部漏洩(ろうえい)を防ぐ遮水壁の設置などの取り組みを実施中だ。
前出の小泉氏は、調査しきれていない汚染地帯も多くあると指摘する。
「過去に泡消火剤を使用したり、PFASを製造工程に使用していた工場がある地域は要注意です。できることは汚染地帯の井戸水を飲まず、専門機関で血液検査を受けること。そもそも日本の暫定目標値は欧米諸国に比べて緩い。放置していた政府には大きな責任があります」
生活するうえで欠かせない水……。高濃度汚染の衝撃は計り知れない。
沖縄県にある米軍の普天間飛行場。周辺の複数箇所から目標値を大きく上回るPFASの存在が判明し住民に不安が
沖縄県にある米軍の普天間飛行場。周辺の複数箇所から目標値を大きく上回るPFASの存在が判明し住民に不安が
米軍施設周辺から高濃度のPFASが検出されたことを受け、木原稔防衛相に要望書を手渡す玉城デニー沖縄県知事
米軍施設周辺から高濃度のPFASが検出されたことを受け、木原稔防衛相に要望書を手渡す玉城デニー沖縄県知事
『FRIDAY』2024年7月26日・8月2日合併号より
取材・文:形山昌由(ジャーナリスト)
PHOTO:形山昌由 共同通信社
形山 昌由
『FRIDAY』2024年7月26日・8月2日合併号より
取材・文:形山昌由(ジャーナリスト)
FRIDAYデジタル