タレントのさかなクンが、帽子着用禁止の国会にハコフグ帽子を被って出席した。「帽子は皮膚の一部」という彼の立場が特例で認められたのだが、その帽子の下はどうなっているのか。

 ***

 今月12日の参院国際経済・外交調査会に参考人として出席したさかなクン。政治部記者によると、

「調査会の審議は水産資源の管理や保護がテーマでした。さかなクンは自作のイラストを示しながら、地球温暖化やプラスチックのごみが魚の生態系に与える影響などについて熱弁。“ふだんのギョ百倍(500倍)ぐらい緊張した”と話していましたが、博学に裏打ちされた説明は実に分かりやすいと好評でした」

 特例が認められたのは、

「海洋問題の広報活動を精力的に行っていること。絶滅種とされたクニマスの生存確認に貢献した実績もあり、『海洋立国推進功労者』として内閣総理大臣賞も受賞している。日本魚類学会の研究発表会に現上皇陛下が出席された際にも帽子を脱がずに同席しています。十分、特例は認めるに値するものだったわけです」

 ちなみに、東京海洋大学の名誉博士と客員准教授の肩書も持つさかなクンは、実力不足を理由に同大学の受験を断念している。学歴は専門学校卒。エリート街道は歩んでいない。魚に関する豊富な知識はほぼ独学。水族館など魚関係のバイトを転々とするなかで、好きで描いていた魚のイラストが認められた。そしてイラストレーター、タレントの道へと進み、出世魚のようにここまで上り詰めた。

ニット帽

 トレードマークであるハコフグ帽子は、冬用と夏用(メッシュ加工)、水中用、教壇用(大学の校章入り)、クロマキー(映像合成)用などを被り分けているようだ。しかし彼の知人によると、帽子の下を人に見せることは滅多にないらしい。

「彼の自宅にお邪魔したときも、あのハコフグ帽子を被っています。基本的に、人前ではあの姿と決めているのでしょう。本人も、“帽子は皮膚の一部だから”と言っていましたしね。さすがに、寝るときは脱いでいると思いますけど。ふだん、プライベートで外出するときは黒や茶色のニット帽を被っていますよ。ニット帽を被るのは、ハコフグ帽子の上からですけれど」

 なんともはや。

「2、3年前、大阪の和食料理店でした。さかなクンも私もかなり飲んで酔っ払ったのですが、彼の帽子が、かなりズレたままになっていまして。黒髪で前髪が少し眉毛にかかるぐらいの、ごく普通の髪型でした」

 さかなクンのふだんの“生息場所”は千葉県館山市。市内にある西岬(にしざき)漁協の海老原斉組合長(78)も、帽子に隠された素顔を知る一人だ。

「俺はさかなクンから“親方”と呼ばれているんだけど、ここでは彼を特別扱いすることはないね。地元のみんなといるときは、あの帽子も被っていない。髪型はいたって普通よ。別にハゲてるわけでもないし。ただ、喋り方はテレビと変わんねえな。“ご”を“ギョ”に換えてさ」

 漁協の古強者は、目を細めて続ける。

「彼は朝早い漁にもよく顔を出してくれるし、一緒に船に乗ったり網を引くこともある。魚を捌(さば)くのだってなんでもやるよ。気配りもよくできるし、とにかく、魚のことならなんだって知っているんだから。こっちが教わるぐらいだよ」

 まさに、好きこそものの上手なれ。ギョ立派!

「週刊新潮」2020年2月27日号 掲載

 

さかなクンと呼ぶのは、失礼ではないと思います。

慶応大学では、福沢諭吉先生が教授をくんと呼んで以来踏襲しています。

受験戦争が低年齢化している日本で、さかなクン人それぞれには、ほかの人には、ない才能があり、それぞれの道が、有ることの手本見せたと思います。

帽子をいつもかぶり過ぎると毛髪が、薄くなるそうですから、注意して欲しいと思います。