広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田総合車両センター2

2009-10-18 15:04:56 | 秋田のいろいろ
秋田総合車両センターフェア2009(旧“土崎工場”の一般公開)の様子です。前回の記事を先にご覧ください。記事中では旧称の「土崎工場」を使っています。
職員が案内しながら場内を巡回する乗り物が運行されていた

秋田では「いなほ」でおなじみの特急用電車
485系という国鉄時代の電車に、10年ほど前に土崎工場で大がかりなリニューアル改造を施しており、「485系3000番代」と呼ばれている。(「かもしか」用も同じ485系だが塗り替えただけでリニューアルはされていない)
この車両は普段は新潟の基地に所属しており、クルマの車検に相当する定期検査で秋田に来ていたのだろう。再塗装されたのか、ピカピカだった。(非公開の車庫内で、この反対側と思われるまだ汚れた車両が見えた)

数分後、同じ場所に人だかりができていた。職員が解説しながら、車体を持ち上げるデモンストレーションが始まることころだった。
鉄道の車両というのは、車輪が付いた「台車」の上に「車体」が乗っかっている。大がかりな検査の時は、車体と台車を分けて行うから、そのために車体を持ち上げる作業が必要になるわけ。

天井の梁だと思っていたものが、実は大型のクレーンで大きな音を立てて電車に接近。2つの爪で車体を上から挟んで、つまむようにして持ち上げた。
風船を下げてもらえませんかね…
(見た感じは)いとも簡単に持ち上がってしまったのには驚いた。本当に台車に「乗って」いるんだ。
 
上に持ち上げただけでなく、横へ移動。電車が中に浮いている!
そしてさらに「皆さんの近くまで参ります」
 
クレーンの移動速度が結構速い。ぐんぐん一直線に我々の目の前数メートルまでやって来た。止まると少しふらふらと揺れて、落っこちないかと心配してしまう。
その後さらに横へ移動(上右の写真)し、バックして元に戻していたが、通常の検査では、検査用の台車に載せ替えるそうだ。(前回記事のトイレ設置工事をしていた京浜東北線の電車も写真を見ると、ジャッキアップできる別の台車に載っているようだ)
もっとゆっくりと作業するのかと思ったが、数人でてきぱきと作業し、手際がよかった。ショーを見ているかのようだった。
吊り上げた車体を目の前で見るという経験はそうそうできない。迫力もあっておもしろかった。

細かな“手仕事”の部門もある

板金加工の部門。
ピカピカのゴミ箱「ゴミを捨てないでください」
これも今日の展示品。地元紙で何度か取り上げられたからご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、駅のホームにあるゴミ箱も実は土崎工場製。これは「高崎支社」とシールが貼ってあったので、群馬辺りの駅に置かれるのだろう。
こちらは、スチール製の棚?、ではなく
「自動券売機の筐体(機械を入れる箱)」とのこと。
左は近距離用券売機、右はSuicaや定期券発行に対応した多機能券売機が入るらしい。JR東日本の券売機は自社の関連会社が製造しているが、実際は外部に委託製造(OEM)してもらってるんだろうと思ったら、ワクだけとはいえなんと自社、しかも秋田で造っていたとは!

農産物やお菓子、鉄道グッズなどの出店があったほか、社員食堂も利用できたらしい。
車内販売でおなじみNRE(旧日本食堂)がやっていて安い
そういえば駅にあるのと同型の自販機もあったがSuicaは使えなかった。まだ秋田駅だけか。
休憩所では、無料のお茶、鉄道模型の展示などがあった。
模型の一部、紙製の秋田駅(ぽぽろーど延長前の姿)
屋根のカーブがものすごく忠実。工場には器用な人がたくさんいるのだろう。秋田駅の前がすぐ海になっているは港町土崎らしい?
反対側には「盛岡駅」があったが、こちらは貧弱だった。秋田支社の管轄外だから?
校長先生のように歴代工場長の写真が飾ってあった
先日、ローカル番組でやっていたが、昔は24時間交代でたくさんの人が働き、土崎の町には職員相手の飲食店もあって賑わったそうだ。
工場の名称から「土崎」が消えたとはいえ、きっと土崎の皆さんは鉄道に親しみがあるのだろう。先日、僕が乗っていた電車が踏切関係(おそらく非常ボタンか直前横断)で緊急停止した。踏切のかなり手前で静かに止まり、すぐ発車できたが、その場所がちょうど工場の横。周辺の住民の皆さんが次々と線路沿いに出てきて列車を見守っていたのが印象的だった。

今回、20数年来の悲願(?)だった見学ができ、改めて土崎工場の技術力を知ったし、世界最大の鉄道会社「JR東日本」を支えている拠点だと感じた。
また来てみたいし、今度は「秋田車両センター」(楢山の車両基地)の方も見てみたい。
コメント (4)
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